親の扶養家族から個人事業主として開業した際の税金について

公開日: 2017/03/02  最終更新日: 2020/07/09

QUESTION

現在、大学生です。

親は所得税を負担する際に扶養家族の控除を受けていると思いますが、今自分が個人事業主となって開業届を出した場合、親の控除額は減ることになるのでしょうか。

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ANSWER:所得をその内容によって区分します。

所得税・住民税で扶養になれるのは、
その年1年間(1/1~12/31)の「所得金額合計が38万円以下」という条件になっています。

所得税等では、所得をその内容によって区分し、その所得区分ごとに所得金額の計算方法が違っています。

◆個人事業主の場合
「事業所得」という所得区分となり、その場合の所得金額の計算は、

『所得金額=収入−費用』で計算します。

※「収入−費用」とは、わかりやすくいえば利益のことです。

個人事業主になっても、年間利益が38万円以下であれば、扶養に入れることになります。
個人事業主だから扶養になれないということはありません。

◆青色申告について
ただし、青色申告といって、取引を複式簿記により記録するなど一定の要件を満たす場合、事前の申請によって、最大さらに65万円を引いてもらうことができます。

これを青色申告特別控除といいます。その場合は、

『所得金額=収入−費用−青色申告特別控除』となります。

参考ですが、サラリーマンやアルバイト・パートの場合でもらう給与(給与所得)の場合は、

『所得金額=給与収入−給与所得控除』です。

この給与所得控除は、給与収入によって一定の算式によって計算され、最低65万円となっています。したがって、扶養になれる「所得金額合計が38万円以下」の条件から逆算すると、

『所得金額38万円+給与所得控除65万円=給与収入103万円』になりますから、

給与収入が年間103万円以下であれば、扶養に入れることになれるわけです。

◆複数の所得区分の収入がある場合
複数の所得区分の収入がある場合には、それぞれで計算した所得金額を合計します。
扶養に入れないと、お父様の税金対象の所得金額が、所得税で63万円、住民税で45万円多くなり、年間少なくとも10万円は税金が高くなってしまいます。

◆扶養の種類
扶養には上記のような税金上の扶養と、社会保険上の扶養があります。

社会保険の場合に扶養に入れるのは、年間収入130万円未満となっていますので、個人事業を始めれば売上が130万円以上になるでしょうから、扶養から外れてご自身で健康保険料を払うことになります。