青色申告と白色申告の違い

公開日: 2017/02/23  最終更新日: 2019/11/22

起業して20万円を超える事業収入(報酬)を得た場合は、確定申告を行わなければなりません。 確定申告には、「白色」と「青色」の2種類があります。それぞれどんな違いがあるのでしょうか。

起業してから報酬を得るまでには、仕事をするために必要な物品を購入したり、事業所を借りたり、人を雇用したりと「収入を得るために使ったお金」が必要です。よって、得た報酬すべてを利益として申告するのは事業主にとって不公平なことです。このため所得税法では「仕事にかかった費用(経費)は、報酬から差し引いて申告できる」ということになっているのです。

しかし実際には、毎日なにかの経費が出る事業から、ほとんどかからないといった事業もあるでしょうし、またすべての事業者が会計や簿記の経験を持っているとも限りません。これらの状況に不公平なく納税するために所得税法では、
・経理を簡単に記録し申告ができる方法(白色申告)
・少し手間をかけて、控除額が多くなる方法(青色申告)
の二とおりを定めているのです。

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〈確定申告は3種類〉

青色申告と白色申告の違いを簡単な表にまとめました。

確定申告は3種類

どちらがよいかという選択は状況により異なりますが、節税効果が高いのは、税制上の優遇を受けられる青色申告です。 しかし、白色申告は手続きが簡単であることと承認申請が必要でないというメリットがあります。
それではどのような人が「白色申告」「青色申告」に適しているのかをみていきます。

〈白色申告に適している人〉

・経理の経験がない人
白色申告のメリットはなんと言っても手間の少なさです。白色申告に必要な単式簿記とは現金出納帳や家計簿と同じようなもので、誰でも簡単に作成できます。無料のフリーソフトなども配布されています。
・節税するほど事業所得はない人
年の途中から事業を始めたので収益が少なかった場合や、経費の総額が少額であったりした場合、これらの処理のために経理事務に時間をかけるメリットがそれほどないと言えます。

〈青色申告に適している人〉

・節税したい人
決算書の貸借対照表と、損益計算書が完成していなくても10万円の特別控除を受けることができます。
・収入が65万を超えている人
経費とは別に事業のもうけから最大65万円(又は10万円)差し引くことができます。収入が65万円を超えているなら青色申告をした方がよいでしょう。
・経理を専任できる家族がいる人
家族が専ら従業員として働いている(専従者といいます)ときは適正額までは経費にできます。家族を専従者にして、経理を専任でやってもらえるのならば、かなり節税できます。
・自宅をオフィスにしている人
青色申告の場合では自宅をオフィスとして活用すると、自宅の家賃や光熱費の一部を必要経費とすることができます。経費であると申告する額は、家庭と仕事で使う比率で計算します。税務署に妥当であると判断されるような説明ができればよいです。

〈どちらにするか迷ったら〉

青色申告では提出が必要な書類の数や提出期限の面で負担は増えますが、制度改正されたことにより承認申請を出す位しか違いはなく、白色申告との負担の差は縮小されました。まずは10万円の控除が受けられる、青色申告から初めてみてはいかがでしょうか。

事業を始めると否応無しに、売上や経費の集計をする機会が増えてくると思います。経理を正確に記帳し、保存していくことは今後の事業の発展にもつながっていきますので、日々少しずつ経費を入力していく習慣をつけておきましょう。