2期分の申告を忘れていたが、どんな問題がありますか?

公開日: 2017/02/17  最終更新日: 2020/08/20

QUESTION

個人でネイルサロンを経営しており、今年で3年目になります。(すでに2期を終えております。)

今年中に広い物件を借りて、お店を拡大する予定ですが、実は2期分の申告をしていませんでした。
以前、まとめて申告をすれば問題ないと聞いたことがあるのですが、実際まとめて申告をする場合に起こりうる問題について教えてください。
ちなみに、お店を拡大するときには、融資も検討しています。

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ANSWER

申告期限までに申告しないで遅れて申告することを、期限後申告と言います。

個人が事業を行い所得が発生した場合には、所得税の確定申告が必要ですので、申告していない2年分につき、所得税の期限後申告をすることになります。

◆ペナルティーについて
遅れて申告しても、所得税自体の金額は同じですが、ペナルティー(税金)が2つあります。

■無申告加算税
遅れたけれど、自主的に進んで申告したという場合には、納めるべき所得税の金額に10%の無申告加算税が課せられます。

税務調査を受けて、あるいは税務調査を受ける恐れが出てきて、あわてて申告したという場合には、無申告加算税は15%になります。
また、所得を仮装隠ぺいなどして申告していなかったけれど、税務調査を受け、期限後申告したというような場合には、無申告加算税ではなく、40%の重加算税が課せられます。

■延滞税
これは、納期限までに税金を納めなかった場合に課せられるものです。

納期限から2カ月までの間は、年「7.3%」と「前年の11月30日の日本銀行が定める基準割引率+4%」のいずれか低い割合となり、現在はおおよそ4%ちょっとです。

2カ月を過ぎた分には急に年14.6%という重い率となります。

なお、所得税の申告をすれば、役所が所得を把握することになりますので、住民税、事業税といった税金の納付を、都道府県事務所や市町村が知らせてきます。

これらは、所得税と違い、加算金は掛りませんが、延滞金は掛ります(地方税の場合、加算「税」という名称でなく、加算「金」という名称に変わります)。

◆まとめ
いずれにしても、1年目から所得が発生しているのでしたら、早めに申告された方が良いでしょう。

また、事業拡大の折には融資を受けるということも考えられますので、その点からも申告されるべきと思います。

また、所得が発生していると思っていても、初年度や2年度は、開業のための支出や設備投資の減価償却費などを入れると赤字になるといった場合や、所得税・住民税には所得控除、個人の事業税には事業主控除という税金を計算する上で差し引かれる控除があり、最終的には税金はかからないということもありますので、税理士などの専門家に相談されるのも方法かと思います。

税金は、制度を良く知っている人は、軽減の恩恵を受けることができ、知らない人は損をする世界と思っていただいても、あながち間違いと言えないものであることを覚えておくと良いでしょう。