会社継続か清算か

公開日: 2017/12/07  最終更新日: 2020/03/25

QUESTION

確定申告を行ったのは、会社設立の初年度だけです。
それ以降は、法人税を滞納しております。

①延滞料金支払いor会社清算(+新会社設立)それぞれ大体どれぐらいの金額がかかるのか。
②金額以外で考慮した方がよい事はあるか。

会社を継続させるか、新たな会社を設立し直すか悩んでおります。
事業継続、会社清算で金額以外に気を付けたほうが良い事はありますでしょうか?

大変恐れ入りますがご回答頂ければ幸いです。

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ANSWER

①かかる金額について
まず、清算する場合でもそうでなくても、今までの無申告分が
見つかった場合には納税義務が発生します。

例えば、清算手続きでも税務署への申告は必要になりますので、
その時過去にさかのぼって調査される可能性も充分あります。

清算=払わなくて良い、という事ではないことをご理解いただけると幸いです。

・過去の無申告分はいくらになるか?
もし赤字決算での申告ということでしたら、法人税は延滞税含めかかりません。
(延滞税は、法人税の金額に対してかかるからです)

ただし、法人住民税は赤字決算でも毎年7万円かかります。
単純に計算すると『滞納年数×7万円』となります。

税務署・都税事務所等ともに、納税の相談窓口があります。
できるだけ早めに申告をした上で、分割納付などのご相談をされることをお勧めします。

・会社清算の費用
会社の清算手続きには、登記が3回・法人税等の申告が2回以上必要となります。
また、すべての手続きが完了するまで、最短でも3か月前後かかります。
もしご自身で手続きされる場合には、登記費用が41,000円ほどです。

このほか、会社の債権者がいる場合には官報公告などの費用もかかります。

解散・清算に関係する税務申告については、
法人税は、上記と同じく利益が全くでなければかかりません。

また、法人住民税は赤字の場合でも年7万円(期間が1年未満の場合は月数で按分)となります。

・会社設立の費用
株式会社は202,000円(電子定款の場合。紙の定款の場合は40,000円プラス)
合同会社にする場合の設立費用は60,000円です。

②他に気を付けること
2年以上連続で期限内に申告をされていませんので、今の会社は青色申告の取消となります。
その場合、今後赤字決算になっても赤字分を翌年以降に繰り越すことができなかったり
本来30万円未満までの資産をその年に経費にできるところ、固定資産として一部しか経費にしかできない等、いくつか「青色申告」の特典が使えませんのでご注意ください。

また、会社を清算した後に新会社設立となった場合、もし会社保有の固定資産等があれば、旧会社から新会社へそれを移すために会計上では少し手続きを踏むことになります。

継続か・新会社設立か?を考えた場合、特に大きな融資等外部に決算書類を見せる機会がないようでしたら、継続の方が手間やコストもかからないと思います。

また、もし「清算」という形にこだわらないのでしたら、
会社は「休眠」状態にしておく事も考えられます。

税務署や都税事務所に「異動届出書」で休業している旨を届け出ておくと、
自治体によっては、70,000円もその後は発生しません。

(地域により対応が異なるため、事前に確認が必要となりますが)

※ドリームゲートオンライン相談を参照