借入金を増資した場合、経理処理はどのようになりますか?

公開日: 2017/02/17  最終更新日: 2020/07/30

QUESTION

株式会社を資本金50万円で設立しました。
その後、運転資金が乏しく、知人の会社から私の会社が1000万円借り入れしました。
その1000万円のうち950万を増資し、資本金1000万にしたのですが、どのような経理処理を行えばよいのですか? そもそも借入金を増資することは問題でしょうか?

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ANSWER

ご質問の様に借入金を資本金に振り返る手続きを 「デット・エクイティ・スワップ(略称DES)」といい、上場企業 でもダイエーなどが財務体質の改善化のために行った手法で、最近では 一般化しています。

資本金を増やすことにより「財務体質が改善」され、「取引上の信用」が 向上するため、その他の状況はわかりませんが、増資すること自体は 決して否定的な行動ではありません。

具体的な経理処理の方法ですが、この場合、会社に対する貸付金を知人の会社は「現物出資」して「株式」を取得したという形になります。
会社から見ると、「借入金」に見合う資産が「現物出資」され、 資本金が増加したということになります。

ここで重要なのは、税務上の資本として増加するのは、登記上の金額に 関わりなく、あくまでもその「借入金」の時価であるということです。
すなわち、その借入金債務が会社の財政状況等により価値を失っている 場合は、借入金の額面金額ではなく時価が増加する資本となるということです。

少しややこしい話をしましたが、ご相談の文面によると借入れをしてから そんなに時間が経過せず、直ぐに増資されているようなので、特に借入金債務 の価値が下落したということはないようです。
したがって、減少した借入金がそのまま税務上の資本とみなすことができると思われますので、会計処理および税務処理ともに下記のような仕訳になります。

(借方)借入金 950万円 
(貸方)資本金 950万円