個人事業の減価償却費について

公開日: 2017/02/16  最終更新日: 2019/11/22

QUESTION

個人事業の固定資産の減価償却についてお伺いいたします。 開業以前からの所有していた固定資産(例えば車、パソコン)を、開業後に完全に事業用として使用する場合、または開業後の事業使用を目的としてあらかじめ購入していた資産がある場合、減価償却費の算定は実務上どのようになされるのでしょうか?

また同様に、法人設立の場合、現物出資で財産証明書を使うとすれば、固定資産を評価する実務上の基準はどうなるのでしょうか。  以上、大変お手数ですが、ご返答をお願いいたします。

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ANSWER

まず、個人事業の開業以前から所有していた資産の減価償却についてご説明いたします。

上記のようなケースで、資産の場合は、一般には、開業日までの 減価償却費を「定額法」で計算し、算出された減価償却費を引いた価額を、個人事業における事業用資産の取得価額とします。

つまり、個人として購入して個人として継続して使用するわけですので、事業開始以前の部分に関しては、事業用とみなさないということです。

事業開始後は、上記で求められた取得価額に対して減価償却の計算を行い、減価償却費を計上していきますが、個人事業の場合は、100%経費とはならず、何%かは「自家消費」すなわち個人での使用があるとみなされて、経費にならないという点にご注意ください。

因みに個人事業での減価償却方法ですが、設立時に「個人事業開業届」や 「青色申告事業者届」とともに「減価償却の方法に関する届出書」を提出することで、定率法を適用することができるようになります。

ただし、昨今では「費用の均一化を図れる」定額法を選択する方も増えておりますので、このあたりは十分にご検討ください。

なお、これまで述べてきた資産の減価償却における耐用年数ですが、これは 中古資産の取得に準じた耐用年数となることに注意してください。中古資産の耐用年数は、次の計算式で求められます。

(1)耐用年数の全部を経過した資産    法定耐用年数×20%

(2)耐用年数の一部を経過した資産   (法定耐用年数−経過年数)+(経過年数×20%)
 

ただし、1年未満の端数は切り捨て、計算結果が2年に満たない 場合は2年とする。

最後に、法人設立の際の現物出資における財産証明ですが、これは、有限会社で60万円、株式会社で200万円までであれば、何の資産をいくらで評価してもかまいません。ただし、上の金額を超えてしまいますと、裁判所の検査役検査を受けることになり、かなりの時間と費用がかかってしまいますのでご注意ください。