個人事業主と法人の税金面の違い、法律上のリスクを教えてください。

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2022/06/24  最終更新日: 2023/10/26

QUESTION

知人と数人でWeb制作を始めようと思っています。

形態は請負という形を取る予定ですが、何から始めたらいいのか分かりません。

請負の場合、税金や利益等の面において個人事業主と法人ではどちらにメリットがあるのか、またそれに伴うリスクはなにかを知りたいです。

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ANSWER どちらにもメリット・デメリットが存在します。比較検討していきましょう。

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事業所得の観点からまずは見ていきましょう。

個人事業主の場合は、「継続した期間で安定した収入が得られる」、「儲かる可能性がある」、「相当な時間を費やしている」、「職業として認知されている」といったことが事業所得の判断材料となります。

その場合以下の2つのパターンがあります。

  • 青色申告

青色申告の届出を提出、損失の3年間の繰越ができる、65万円の控除が受けられるというメリットがありますが、貸借対照表と損益計算書を作成する必要があり事務処理が面倒です。

  • 白色申告

青色申告のようなメリットはありませんが、収支計算書を作成すれば良いので、事務処理が簡単です。

これら2点のどちらかの資料を作成して、事業所得として確定申告します。

  • 雑所得

事業所得とまで言えない場合は、雑所得で申告します。

  • 給与所得

単なる副業で、仕事を受ける会社からアルバイト料などの形で報酬を受ける場合は給与所得となります。この場合は、会社から源泉徴収票をもらい、確定申告をします。

続いて法人(株式会社、合同会社)について解説していきます。

会社を作って会社で仕事を受けます。ご友人たちには、報酬をアルバイト代のような形で支払います。

法人の場合は、法人税と地方税の申告書を作成して税務署に提出します。法人を設立するため、設立の登記をする必要があり、費用がかかります。この場合も、青色申告と白色申告があります。青色申告はメリットが色々あります。ですので、法人の場合は、通常は青色申告になります。

もしどなたかが代表で仕事を受けるなら、法人化したほうが良い気がします。お客さんも法人と取引すれば良いので、3人分まとめて支払うことができます。3人がそれぞれ別々に報酬を受けるのであれば、個人で始めるのが良いと思います。

法人と個人事業主かは、それぞれメリットとデメリットがあるため、どちらが良いかをよく検討します。

法人の方が節税はしやすいですが、設立費用や税理士に申告を依頼するなど費用がかかります。個人事業主は、費用面では法人よりはかかりません。

リスクという意味では、個人事業主は個人が主体となり、全責任を事業主が負うという「無限責任」に対し、法人は、個人とは別の法人格となるため、そこから生じた責任も経営者個人と切り離して、法人の財産の範囲内で負う「有限責任」となります。ただ、銀行等に個人保証をしている場合は、個人に責任が来ます。

この質問に回答した専門家
横山 禎一(よこやま ていいち)
サイバークルー株式会社/横山税理士・行政書士事務所
FP(ファイナンシャルプランナー)/MBA/行政書士/入国管理局申請取次 行政書士/税理士
ローリスクで起業できるよう、ありとあらゆる面から起業家のサポートをされている横山さん。積極的に起業家同士の交流会を開催するなど、力を入れているあつい方です。
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