業種別ギャップ率

公開日: 2015/03/15  最終更新日: 2015/03/16

事業規模が大きいほどギャップ率は小さい

次に業種別のギャップ率について分析した結果、特徴的な結果が表れた。下の表は事業計画作成サポートツールで対象としている12業種の結果だが、もっともギャップ率が高いのは「理美容業」で55.6ポイント。もっとも低いのが「飲食業」の22.4ポイントとなった。

事業規模が大きい業種、言い換えれば組織的に行う必要性が高い事業ほどギャップ率は低く、理美容業やライター関連業など、個人でも行える事業ではギャップ率が高いという傾向になった。

つまり、リスクの小さいビジネスほどギャップ率は大きく、リスクが高いほどギャップ率は小さい。俗人的なビジネス、業種では事業計画そのものを甘く考えがちなのか、ギャップ率が高い傾向になっている。

一方、飲食業などは開業するための初期投資もまとまった金額が必要で、アルバイトやパートを何人も雇って組織化して取り組まなければならないだろう。建設業なども同様だ。こうした業種は精緻な事業計画書を作成して取り組むケースが多いため、結果的にギャップ率は低めとなっている。

ギャップ率が高いということは、それだけ計画と実際の差が大きいという事だ。開業してから売上が見込み違いで予定とおりに上がらないということは、その間手元の資金がどんどん減っていくということだ。資金がなくなれば当然だが事業は継続できない。ギャップ率の高い業種で起業を予定している方は、こうした傾向があることを踏まえて、しっかりとした事業計画書を作成して起業してもらいたい。