借入申込書とは? 入手法や記入項目、添付資料を融資のプロが徹底解説
事業をはじめる際や、事業を拡大する際に、資金調達は避けて通れない課題です。金融機関からの融資を検討する際、最初に必要となるのが「借入申込書」です。
しかし、借入申込書とは具体的にどのような書類で、どこで入手でき、どのように記入すればよいのでしょうか。また、添付書類には何が必要なのでしょうか。
そこで本記事では、融資のプロであるコンサルタントが、借入申込書について徹底的に解説します。借入申込書の入手方法から記入項目や添付書類、よくある疑問まで、くわしく解説しますので、融資を検討されている方はぜひ参考にしてください。
本記事を読むことで、借入申込書に関する疑問を解消し、スムーズな融資手続きを進めることができるでしょう。
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1.借入申込書とは
借入申込書は、個人や法人が金融機関から融資を受ける際に必要となる非常に重要な書類です。この書類は、融資を希望する方が、金融機関に対して融資を正式に申込むための意思表示となります。単なる申込書というだけでなく、金融機関が融資の可否を判断するための、基礎的な情報源としての役割も果たしています。
借入申込書には、申込者の基本的な情報(氏名・住所・連絡先など)を記載します。また、借入希望額や資金の使い道(運転資金・設備資金など)、返済期間や返済方法に関する希望、さらには事業内容に関する情報まで多岐にわたる項目も記載されています。これらの情報は、金融機関が融資のリスクを評価し、適切な融資条件を設定するために不可欠です。
金融機関は、借入申込書に記載された内容と、あわせて提出される添付書類(事業計画書・決算書・本人確認書類など)を総合的に審査します。この審査を通じて、申込者の返済能力、事業の将来性、資金使途の妥当性などを慎重に検討し、融資の可否、融資金額、金利、返済期間などを決定します。
したがって、借入申込書は、融資を受けるための最初の関門であり、かつもっとも重要な書類のひとつといえます。正確かつ漏れなく情報を記入し、必要な添付書類をきちんとそろえて提出することが、スムーズな融資実行への第一歩となります。
とくに、資金使途や返済計画については、具体的かつ実現可能な内容を記載することが、融資審査を有利に進めるうえで非常に重要です。融資を検討している方は、借入申込書の重要性を理解し、入念に準備を進めるようにしましょう。
2.借入申込書の入手方法・場所
借入申込書は、融資を希望する金融機関によって入手方法が異なります。多くの場合、金融機関のウェブサイトからダウンロードできるほか、支店の窓口やビジネスサポートプラザなどで直接受け取ることも可能です。
また、インターネットで融資を申込む場合は、申込書が不要なケースもあります。ここでは、代表的な入手方法を4つご紹介します。ご自身の状況に合わせて、最適な方法で入手しましょう。
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1)公式サイト
日本政策金融公庫(国民生活事業)では、公式ウェブサイトから借入申込書をダウンロードできます。PDF形式で提供されており、自宅や会社のプリンターで印刷して使用でき便利です。
インターネット申し込みも可能です。ウェブサイト上で必要事項を入力し、必要資料をアップロードすることで申し込みが完了します。
公式サイトからダウンロードするメリットは、24時間いつでも入手できることです。また、最新版の申込書を入手できるため、記入漏れや古い書式で提出してしまうリスクを減らせます。
民間金融機関の場合は、窓口で相談した後に申込書などを交付してくれるケースが大半です。
また、制度融資(都道府県や市区町村が窓口となっている融資制度)の場合は、公式サイトからダウンロードできる場合もあります。
たとえば「○○区 創業融資(または中小企業融資)」などと検索すると、制度融資の該当ページが出てきます。
2)最寄りの支店
金融機関の支店窓口でも、借入申込書を入手できます。窓口で直接受け取るメリットは、不明な点をその場で質問できることです。
記入方法や必要書類について、職員に確認しながら進められるため、はじめて融資を申込む方でも安心です。ただし、支店の営業時間内に訪問する必要があるため、注意が必要です。
3)ビジネスサポートプラザ
日本政策金融公庫では、中小企業や個人事業主向けの融資相談窓口として、「ビジネスサポートプラザ」を設けています。ビジネスサポートプラザでは、融資に関する詳しい相談が可能です。中小企業診断士をはじめとした専門のスタッフが対応してくれるため、より詳細なアドバイスを受けながら申込書を作成できます。
4)インターネット申込の場合は不要
近年増えているインターネットからの融資申込みでは、借入申込書が不要な場合があります。ウェブサイト上の専用フォームに必要事項を入力することで、申込みが完了します。
インターネット申込みは、時間や場所を選ばずに手続きできるため、忙しい方におすすめです。ただし、金融機関や融資商品によっては、インターネット申込みに対応していない場合もあるため、事前に確認が必要です。
3.借入申込書の記入項目
借入申込書には、融資審査に必要なさまざまな情報を記入する必要があります。氏名や住所などの基本的な個人情報に加え「借入希望額、資金使途、返済計画」など、融資の可否を左右する重要な項目も含まれます。
記入漏れや誤りがあると、審査に時間がかかったり、融資が受けられなくなったりする可能性もあるため、正確かつ丁寧に記入することが重要です。ここでは、一般的な借入申込書の記入項目をかんたんに説明します。
1)お申込名
融資を申込む方の氏名(法人の場合は会社名と代表者名)を記入します。
2)お申込金額
希望する借入金額を記入します。
3)お借入希望日
融資を受けたい希望日を記入します。
4)ご希望の返済期間
希望する返済期間を記入します。
5)元金据置
元金据置期間の設定を希望する場合は、その期間を記入します。金融機関や融資制度ごとに、可能期間などルールがありますので、事前に確認したうえで記入しましょう。
6)毎月のご返済希望日
毎月の返済希望日を記入します。
7)ご返済金のお支払方法
返済金の支払い方法(口座振替など)を選択します。
8)資金のお使いみち
借入金の使い道を具体的に記入します。(例:運転資金、設備資金など)
9)創業年月
会社を設立した年月、または個人事業を開始した年月を記入します。これから開業する場合には、予定日を記入しましょう。
10)業種
営んでいる事業の業種を記入します。
11)従業員数
従業員数を記入します。(役員やパート・アルバイトを含む場合もあります)
12)お申込人または法人代表者の方のご家族
申込者本人または法人代表者の家族構成について、正確に記入します。
13)担保・保証の条件
担保や保証人の有無、保証人の情報などを記入します。金融機関や融資制度ごとのルールを事前に確認したうえで記入しましょう。
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4.借入申込書の添付書類
借入申込書には、さまざまな添付書類が必要です。これらの書類は、金融機関が融資審査をおこなううえで、申込者の信用力や、事業の将来性を判断するための重要な資料となります。
添付書類は、融資の種類や金融機関によって異なりますが、一般的に「事業計画書・見積書・履歴事項全部証明書・許認可証・本人確認書類」などが必要となります。ここでは、代表的な添付書類について解説します。
1)創業計画書
新たに事業をはじめる場合や、事業を開始して間もない場合に必要となる書類です。事業内容、収支計画、資金計画などを具体的に記載し、事業の実現可能性や将来性を金融機関に示します。
2)見積書
設備資金の融資を申込む場合に必要となる書類です。購入予定の設備の見積書を提出し、資金使途の妥当性を金融機関に確認してもらいます。
3)履歴事項全部証明書または登記簿謄本
法人の場合に必要となる書類です。会社の登記情報が記載されており、会社の存在や代表者の情報を確認するために使用されます。
4)許認可証
飲食店、建設業、美容業など、特定の事業をおこなうために必要な許認可証のコピーを提出します。事業の合法性を確認するために使用されます。
5)運転免許証(両面)またはパスポート
本人確認書類として、運転免許証(両面)またはパスポートのコピーを提出します。2020年2月4日以降に発給申請されたパスポートは、所持人記入欄(住所欄)がないため、あわせてマイナンバーカードの提出が求められることもあります。
5.借入申込書に関するQ&A
ここでは、借入申込書に関するよくある質問とその回答をまとめました。郵送先、金銭消費貸借契約書との違い、記入ミスがあった場合の影響など、融資を申込む前に知っておきたい情報を網羅しています。これらのQ&Aを参考に、安心して借入申込書を提出できるようにしましょう。
1)どこに郵送する?
借入申込書は、原則として融資を希望する金融機関の最寄りの支店に郵送します。以前に取り引きがあるなどの理由で最寄りの支店ではない支店に郵送すると、本来融資審査をおこなう支店に転送されるため、時間がかかる可能性があります。また、提出した借入申込書や添付書類は、原則として返却されません。必要な書類はコピーを取っておくことをおすすめします。
2)金銭消費貸借契約書との違いは?
借入申込書は、融資を申込むための書類であり、金銭消費貸借契約書は、融資契約が成立した際に締結する契約書です。借入申込書は融資申込みの意思表示、金銭消費貸借契約書は融資契約の内容を確定させる役割を担います。
3)記入ミスがあったら融資は受けられない?
借入申込書に記入ミスがあった場合でも、それだけで融資を断られる心配はありません。金融機関の担当者が電話などで確認してくれることが一般的です。
ただし、確認のために審査が遅れる可能性があるため、記入ミスがないように注意しましょう。また、担当者からの電話に出られるように、携帯電話の着信には常に気を配っておくことが大切です。
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本記事では、借入申込書について、入手方法、記入項目、添付書類、よくある質問などをくわしく解説しました。借入申込書は、融資を受けるための第一歩であり、正確かつ丁寧に作成することが重要です。
また、創業融資においては、借入申込書だけでなく、事業計画書の作成も非常に重要です。事業計画書は、事業の将来性や収益性を金融機関に伝えるための重要なツールであり、融資審査の可否を大きく左右します。
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