フランチャイズの開業に必要な資金はどのくらい? 調達方法も大公開
独立や起業を検討する際、有力な選択肢となるのがフランチャイズ加盟ではないでしょうか。ブランド力やノウハウを活用できるメリットは大きいものの、やはり気になるのは初期費用の実態です。
そこで本記事では、フランチャイズ開業に必要な資金の内訳から、具体的な目安、さらには効率的な資金調達の方法までを専門的な視点で解説いたします。これから新たな一歩を踏み出そうとしている方は、ぜひ参考にしてください。
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元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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目次
1.そもそも開業資金とは
ビジネスをスタートさせるために不可欠な元手のことを、一般的に開業資金と呼びます。これは大きく分けて、事業に必要な物理的資産への投資である設備資金と、事業が軌道に乗るまでの運転資金、そして司法書士への報酬や登録免許税といった法人設立費用に分類されます。
参考:開業資金、どうやって集める?いくら必要?平均額と必要金額の集め方
1)設備資金
設備資金は、店舗や事務所を構えて事業を開始するために必要な物理的資産への投資を指します。
・建物や内装の工事費用
・厨房機器やオフィス家具の購入費
・店舗運営に欠かせないシステムやIT機器の導入費
・配送や営業に用いる車両の購入代金
2)運転資金
運転資金は、開業直後の売上が安定しない時期でも、事業を継続していくために必要な手元資金のことです。
・仕入れ代金や材料費
・従業員への給与や法定福利費
・店舗の賃料や光熱費
・広告宣伝費や消耗品費
参考:創業融資の運転資金は何か月分が妥当か?【元日本公庫融資課長が監修】
3)法人設立費用
個人事業主としてではなく、法人としてフランチャイズに加盟する場合には、法人設立に関する費用も準備しなければなりません。登記の際に納める登録免許税や定款認証代、さらに司法書士への報酬などがこれに該当します。
株式会社を設立する場合には20万円以上の実費がかかることが一般的ですが、近年は合同会社(LLC)を選択する起業家が増加しています。合同会社は株式会社よりも設立費用が低くおさえられるため、コストを重視するスモールスタート層から高い支持を得ているのが現状です。
2.フランチャイズに必要な開業資金の項目
フランチャイズへの加盟は、ゼロから事業を立ち上げる苦労を本部が肩代わりする「ビジネスのパッケージ購入」に近い側面があります。
しかし、その利便性を享受するためには、独自開業では発生しない特殊な費用を含め、多岐にわたる資金を準備しなければなりません。ここでは、どのような項目にどれほどの資金が必要となるのか、その詳細を深く掘り下げて解説していきます。
1)加盟金と保証金
まず検討すべきは、本部のネットワークに加わるための加盟金です。これはブランド名やロゴを使用し、本部が長年培ってきた成功ノウハウを利用するための、対価としての性格を持っています。一度支払うと原則として返還されない費用であるため、契約内容を十分に精査しなければなりません。
一方で保証金は、毎月のロイヤリティの支払いや、商品の仕入れ代金に対する、債務の担保として預ける性質の資金です。賃貸物件の敷金に近いイメージであり、契約が円満に終了した際には戻ってくることが一般的でしょう。加盟金は「サンクコスト(埋没費用)」、保証金は「預け金」という明確な違いを理解しておくことが、健全なキャッシュフローを把握するコツといえます。
2)物件取得費と改装費
実店舗を構えるビジネスにおいて、もっとも大きな出費となるのが物件取得費と内装の改装費用です。都心部の好立地であれば、敷金や礼金、仲介手数料だけで数百万円から一千万円を超えるケースも珍しくありません。また、フランチャイズの場合は本部の指定する内装デザインや外観を再現しなければならず、自由な設計が難しい分、統一感のある高品質な店舗づくりが求められます。
特殊なケースとして、郊外のロードサイドなどで大規模な展開を狙う場合は、建物だけでなく土地の取得が必要となる可能性もあります。土地の取得からはじめるとなれば、投資額は数億円規模にまで膨らむことも覚悟すべきでしょう。一方で、初期費用をおさえるために「居抜き物件」の活用を推奨している本部もあり、この選択肢が取れるかどうかで予算は劇的に変化します。
3)研修費
フランチャイズでは、未経験者でもプロとして現場に立てるよう、本部が実施する教育カリキュラムを受ける必要があります。そのための費用が研修費です。多くの場合は加盟金に含まれていますが、別途設定されているケースもあるため注意が必要です。ここでは講師への謝礼やテキスト代だけでなく、研修期間中の「目に見えないコスト」にも目を向けなければなりません。
たとえば、本部の研修センターが遠方にある場合、数週間にわたる滞在費や交通費はオーナーの自己負担となることが一般的です。さらに、研修中は無収入になるため、その間の生活費を予備費として確保しておくことが、精神的な余裕を持って学習に励むための必須条件となります。
4)採用人件費
華々しいオープンの裏側では、優秀なスタッフを確保するための採用人件費が必要となっています。求人媒体への掲載料は、希望する人数や地域によっては高額になる場合もあります。また、一度の掲載で十分な人員が集まるとは限りません。
さらに、開店前のトレーニング期間中もスタッフには給与が発生することを忘れてはいけません。接客の質が初期の評判を左右するため、教育には十分な時間を割く必要があり、その分の労務コストをあらかじめ予算化しておくことが重要です。オープン前の人件費を「無駄な出費」と捉えず、将来の売上をつくるための「先行投資」と考える思考の転換が求められます。
5)その他手数料
最後に、目に見えにくい細かな手数料や初期費用についても触れておきましょう。店舗運営に不可欠なPOSレジシステムの導入費や、本部の基幹システムを利用するための設定手数料などが挙げられます。これらは月々の利用料とは別に、初期設定費用として請求されることも少なくありません。
また、オープンを地域に知らせるためのチラシ配布やネット広告、看板設置などの広告宣伝費も欠かせません。営業許可を申請するための専門家への報酬や印紙代なども含め、予備費として全体予算の1割程度を上乗せしておくと、不測の事態にも柔軟に対応できるようになります。細かい数字をひとつずつ積み上げることが、精度の高い資金計画の第一歩となるでしょう。
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3.フランチャイズに必要な開業資金の目安
開業に必要な金額は、選ぶ業種やビジネスモデルによって劇的な差が生じます。ここでは、具体的なケースを想定した資金の目安を比較していきましょう。
1)店舗用意の有無
店舗の準備を自分でおこなうのか、それとも本部が用意した物件を引き継ぐのかによって、初期投資は大きく変動します。
店舗を自分で用意する場合は3000万円程度
自ら物件を探し、いちから内装をつくり上げる場合は、こだわりの分だけ費用も膨らみます。多額の融資を受けることが前提となるケースも珍しくありません。
店舗を本部に用意してもらう場合は1500万〜2000万程度
コンビニエンスストアの一部プランのように、本部が用意した店舗で経営をはじめるタイプは、土地や建物の負担が軽減されるため、自己資金をおさえることが可能です。
参考:経済産業省「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書」
2)業種による違い
参入する業界によっても、必要となる資材や店舗の規模が大きく異なるため、目安を把握しておくことが重要です。
■金券ショップやコンビニ、ハウスクリーニング、パソコン教室
これらは比較的小規模なスペースや無店舗での運営が可能なため、数百万円程度の資金ではじめられる案件も多く存在します。在庫のリスクが低い、あるいは什器がシンプルであるといった特徴が低コスト化に寄与しています。
■居酒屋やファストフード、レストラン
飲食業のように大規模な厨房設備や排気システム、広々とした客席を必要とする業種は、数千万円単位の投資を覚悟しなければなりません。とくにファストフードは本部のきびしい基準を満たすための設備投資が大きくなりがちです。
3)300万円以内での起業も多い
多額の資金が必要というイメージが強いフランチャイズですが、実は、300万円以内の自己資金でスタートを切っている人も多いのが実態です。
これは、ネットを介した無店舗型のビジネスや、副業感覚ではじめられるマイクロフランチャイズが普及している影響が大きいと考えられます。必ずしも数千万円の資金がなければ独立できないわけではなく、賢く本部を選べば少額からの起業も十分可能だといえるでしょう。
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4.フランチャイズの開業資金調達のポイント
開業資金を自己資金だけですべてを賄うのは、現実的に難しいケースが多くなっています。そのため、戦略的な資金調達が成功への鍵を握ります。
1)本部の優遇制度を確認する
多くのフランチャイズ本部では、加盟者の負担を軽減するための優遇制度を用意しています。加盟金の一部免除や分割払いの提案、あるいは本部が利息を補填してくれるケースも存在するため、まずは説明会などで詳細を確認することをおすすめします。
2)加盟金0円のフランチャイズもある
競合他社との差別化を図るため、あえて加盟金をゼロに設定している本部も存在します。こうした本部を選べば、初期の現金支出を大幅におさえてスタートを切れるでしょう。ただし、加盟金の代わりに毎月のロイヤリティが高めに設定されていないかを確認する冷静さも必要です。
3)金融機関からの融資を検討する
自己資金の不足を補うには、外部からの借入れが一般的となります。創業融資を受けるのであれば、まずは政府系の日本政策金融公庫を検討するのが王道といえるでしょう。実績のない創業期でも相談に乗ってくれる心強い味方です。
また、地域の信用保証協会から保証を受けることで、地元の信用金庫などから融資を引き出す道も拓けます。金融機関の窓口に自分で飛びこむのではなく、融資のノウハウを持つ税理士などの専門家からの紹介を受けるルートが、審査の通過率を高める方法です。
参考:創業融資における信用保証協会の役割とは?|資金調達のプロが公庫と徹底比較
4)助成金や補助金も調査する
国や地方自治体が実施している助成金や補助金の活用も忘れてはなりません。返済不要な資金を得られるチャンスですが、申請期限や複雑な要件があるため、早めの情報収集が不可欠となります。
5.フランチャイズの開業には事業計画書作成ツールがおすすめ
フランチャイズ開業には多額の資金が動くからこそ、緻密な収支予測と計画が欠かせません。本部の情報を鵜呑みにするのではなく、自身の状況に合わせた現実的な事業計画を立てることが成功の第一歩となります。
ドリームゲートの事業計画書作成ツールを使えば、ブラウザ上での操作だけで客観的で説得力のある事業計画をスムーズに作成することが可能です。無料で提供されている便利なツールですので、まずは一度試して、あなたのビジネスプランを可視化してみてはいかがでしょうか。
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