創業計画書と事業計画書の違いとは?ポイントをおさえた計画書の作り方

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2022/08/30  最終更新日: 2024/08/02
「融資を受けるときって創業計画書と事業計画書のどちらを作ればいいの?」

このように悩んでいる人は多いことでしょう。
創業計画書と事業計画書の違いを知ることは、それぞれの書き方のポイントをおさえることにつながります。

この記事では、事業計画書づくりの専門家が多数在籍するドリームゲートが、起業・新規事業立ち上げ・既存事業の拡大などのフェーズに合わせた計画書のつくり方を解説します。
創業計画書と事業計画書の違いがよく分からない人は、この記事を読んで基本の理解に役立ててください。

8万人が利用した事業計画書作成ツール
ブラウザ上の操作で事業計画を作成、創業計画書もエクセルでダウンロード可能

この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
プロフィールを見る>>

創業計画書と事業計画書の違い

創業計画書と事業計画書はいずれも事業運営の計画を立てるために作るものですが、作成するタイミングに違いがあります。

創業計画書 事業計画書
作成するタイミング 事業を始めるとき 起業後に事業の見直しや資金調達が必要になったとき
主な内容 創業の初期費用や事業が軌道に乗るまでの収支計画 売上や経費などの実績と今後の見立て

 

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これらの機能がすべて無料で利用できます!

創業計画書は、事業を始めるタイミングに作成する計画書です。創業融資を受けるために作成することが多く、創業に必要な初期費用や、創業してから事業が軌道に乗るまでの収支計画がそのおもな内容です。

融資を受ける際は、初期費用(設備資金)と運転資金は分けて考えておく必要があります。

初期費用には備品や賃貸契約料、内装費や広告費、人材確保にかかる費用など様々なものがありますが、実際に業者に問い合わせるなどしてより具体的な金額を把握しておくといいでしょう。

運転資金には、毎月の光熱費や家賃、人件費といったランニングコストなどがあり、売上げが軌道に乗るまでのマイナス分をどのくらいの金額で見積もっておくのが妥当かも含めて考えておく必要があります。

創業計画書は、公的金融機関である「日本政策金融公庫(以下、公庫)」から融資を受ける際に必要となる書類で指定の様式があらかじめ準備されています。公庫の創業融資を検討している人は、ドリームゲートが提供する「事業計画書サポートツール」を使えば、ブラウザ上の操作だけで創業計画書を作成でき、ExcelやPDFなどの形式でダウンロードも可能です。

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事業計画書は、起業後に追加で資金調達や事業の見直しが必要になったタイミングで作られることが多い書類で、すでに経営の実績があるなかで作成するため、売上や経費などの実績とそこから予測される今後の見立てを数値を用いて正確に説明する必要があります。

規定の様式がないためオリジナリティが出やすい書類でもありますが、自信がない場合には既存のフォーマットや作成ツールを利用して効率的に作成を進めましょう。

事業計画書とは?必要な12項目・書き方と無料テンプレートを紹介

創業計画書とは?

創業計画書は、起業・創業を考えている人がビジネスの概要を整理したり、資金計画を明確にするために作成する書類です。創業資金の調達を目的としても作成されます。創業時に作成するので「創業計画書」と呼ばれますが、性質としては事業計画書の一種と考えて問題ありません。

公庫から融資を受けるために提出が必要な書類のなかに「創業計画書」というものがあります。これは、公庫がオリジナルで作成している創業計画書のフォーマットです。

公庫の創業計画書は、一般的な創業計画書のなかでもとくに重要な部分を抜粋し、最低限必要な内容をまとめたものになっています。そのため、記載できる情報量も限られてしまうので、添付資料としてオリジナルの創業計画書や統計データなどを添えた方がよいケースもあります。

公庫フォーマットの創業計画書の記載内容は「創業の動機」「経営者の略歴等」「取扱商品・サービス」「取引先・取引関係等」「従業員」「借入状況」「必要な資金と調達方法」「事業の見通し」となっています。くわしくは、こちらの記入例も参考にしてください。

創業計画書_ソフトウェア

創業計画書【記入例】

創業計画書作成のメリット

公庫の創業計画書に書かれている内容は、事業計画書の専門知識がなくても書けるレベルのもので、はじめての事業計画書作成にも適したものだといえます。

創業計画書を作れば資金の流れや調達方法が明確になるため、漠然としたイメージも数値にもとづいた具体的なビジョンになり、説得力が増します。

創業計画書作成時のポイント

創業計画書では、とくに創業者の経歴や事業の強みを伝えることに力を入れましょう。

事業内容と創業者の経歴がマッチすることで、「成功可能性が高い」と思わせることが可能だからです。これまでの経歴と起業する業種がちがう場合でも、自分の経験やスキルがどのようにして事業に活かせるのか説明できるようにしましょう。

同業他社が多い場合には、事業の強みも大切なポイントとなります。競合よりも優れているポイントがないと、お客さまから選ばれるビジネスにならないからです。事業の強みもしっかりアピールしてください。

また、開業資金を含めた資金計画もしっかり立てましょう。融資の審査において最も重視されるのが、資金計画の妥当性だと言われています。

資金計画を立てるのが苦手という人は、ブラウザ上の操作だけでかんたんに事業計画書が作れる「事業計画書作成サポートツール」を活用してみてはいかがでしょうか。創業計画書のフォーマットにも対応しており、作成したデータはExcelなどの形式でダウンロード可能です。

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創業計画書の書き方

創業計画書の書き方が分からないという人は、まずは記入例を見ながら項目を埋めてみることからはじめましょう。紙に書き出してみることによって、頭のなかでモヤモヤしていた内容が明確になるはずです。

まずは「事業計画書作成サポートツール」を使って、簡易的な創業計画書を作ってみるのもおすすめです。

創業計画書をしっかりと完成させるまでには、事業ビジョンの作成、ニーズの検証などの工程が必要になります。くわしく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。

どうしたら起業を実現できるのか?

創業融資におすすめの日本政策金融公庫の新規開業資金

創業者が利用できる融資制度にはいくつか種類がありますが、原則無担保・無保証人で利用が可能な公庫の「新規開業資金」がおすすめです。

新規開業資金を利用するためには、「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内」などの条件を満たす必要があります(勤務先企業と同業種で起業するなどの場合は例外あり)。

融資限度額は7,200万円、融資期間は最長の場合で運転資金10年、設備資金20年です。ほとんどの業態での創業をカバーできる金額と期間であることが分かります。また、条件によっては1%を下回る利率で借りることができ、これは民間金融機関よりかなり低い水準です。

融資で資金調達を考えている人は、まずは公庫の新規開業資金を検討するとよいでしょう。

新規開業資金(日本政策金融公庫)

新規開業資金のメリット

新規開業資金の最大のメリットは、無担保・無保証人で受けられる点です。

創業融資は実績のない会社に貸すため、リスクが比較的高いとされ、担保や保証人なしでの融資が難しいといわれています。民間金融機関では無担保・無保証人の融資を受けることは困難ですが、公庫は公的金融機関であるため、無担保・無保証人での融資も可能なのです。

また、返済期間が比較的長いのも特徴です。設備資金は最大20年、運転資金でも最大10年までの期間で設定できるため、返済負担が重くなりすぎないのはメリットです。

新規開業資金はメリットが多い融資制度ですが、融資のハードルはそれほど高くありません。しっかりした事業計画があれば融資獲得の可能性がアップします。ぜひ、完成度の高い創業計画書を用意してチャレンジしてみてください。

事業計画書とは?

事業計画書とは、ビジネスのビジョンや事業内容、収益モデル、数値計画などをまとめたものです。事業計画書には規定の様式はなく、作成者それぞれが効果的と思う方法で計画書をまとめることになります。

事業計画書は融資だけでなく、出資や協力者を集める際にビジョン共有の手段としても使用されます。

銀行などの民間金融機関で創業融資を受ける場合には事業計画書が必須ですが、公庫で融資を受ける場合にも、創業計画書に加えてオリジナルの事業(創業)計画書を追加資料として提出するとプラスにはたらきます。

オリジナルの事業計画書(創業時の場合は創業計画書)を作るのに早すぎることはないので、起業を考えはじめた段階でぜひ作ってみてください。うまく埋められないところは、起業までに考える必要がある部分です。計画書をしっかり完成させて、ビジネスの構想を具体化していきましょう。

事業計画書とは?何を書けばいい?必要な12項目と3つのポイントについて解説!

事業計画書作成のメリット

事業計画書が役立つのは、融資を受けるタイミングだけではありません。事業計画書を作ってからある程度時間がたって見直すと、計画に沿った経営ができているか、経営状況の見直しに役立ちます

新たに発見した強みや弱みを考慮することで、次のステージに向かうための指針にもなってくれるでしょう。

事業計画書作成時のポイント

事業計画書を作成する際に重要なのが「具体性」です。

年度や期ごとの目標は、根拠のある数値を用いて具体的に示しましょう。雇用計画や設備投資についても同様です。目標や計画は必ずそのとおりになるわけではありませんが、あくまでも目標として具体性を持たせることが大切です。

また、ビジネスの成功の鍵を握るのが商品やサービスの内容です。写真や図を積極的に使い、ひと目でイメージができるように工夫しましょう。複数の商品やサービスがあれば、明細などを整理し、資料として添付すると分かりやすくなります。

事業計画書の書き方

事業計画書には「事業内容」「市場環境」「競合優位性」など、最低でも12の項目を記載する必要があります。これらを網羅するのは大変なので、まずは既存のテンプレートやフォーマット、計画書作成ツールを使用して感覚をつかむとよいでしょう。そこから自分のアイデアで項目を足したり、不要な部分は削除したりしてオリジナルの事業計画書を完成させてください。

事業計画書の書き方やテンプレートについて知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

事業計画書とは?必要な12項目・書き方と無料テンプレートを紹介

はじめて事業計画書を作る人には、ブラウザ上で操作するだけで事業計画書が作れる「事業計画書作成サポートツール」が便利です。すべて無料で使えて、完成したデータはExcelやPDFの形式でダウンロードできます。まずは手間をかけずに作りたいという人は、ぜひ活用してください。

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創業期後に融資を獲得する事業計画書とは?

創業期を終え、既存事業への追加投資や新規事業の立ち上げといった次のフェーズに入った際には、事業計画書が必要になります。

創業期と創業期を終えた後の融資では、作成のポイントも異なります。創業期後の事業計画書作成のコツは「実績と具体性」です。創業から時間がたつと実績が見えてくるので、より具体的かつ精度の高い事業計画を作ることが可能になります。

創業期後の事業拡大などに伴う融資申請の際は、実績にもとづいた事業計画書を意識して作っていきましょう。

金融機関向け事業計画書作成のポイント

金融機関に提出する事業計画書の最大のポイントは、財務計画の数字をきちんと固めることです。金融機関は、記載された数値を実現できる根拠が明確か、経費のなかに使途不明金や数字が合わないところはないかを厳しくチェックします。

金融機関に高く評価される事業計画書の作り方は、こちらの記事でくわしく解説しています。気になる人はぜひ参考にしてみてください。

金融機関向けに事業計画書をアレンジするには

金融機関向けの事業計画書では、数字は何よりも重要なポイントです。自信がないという人は、専門家に相談して計画づくりを進めるとよいでしょう。

投資家向け事業計画書作成のポイント

金融機関から融資を受ける資金調達を「デットファイナンス」と呼びますが、一方でベンチャーキャピタル(VC)や投資家に株式を発行し投資を受ける資金調達を「エクイティファイナンス」と呼んで、デットファイナンスとは区別されます。

デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。

エクイティファイナンスでも事業計画書(創業計画書)はときに必要になりますが、資金の返済義務がないため返済計画や毎月の収支といった数値よりも、世の中にインパクトを与えるビジネスモデルであるか、将来性があるかといったことのほうが重視されます。そのため一般的なデットファイナンス向けの計画書ではなく、投資家向けの計画をつくりプレゼンする必要があります。

スタートアップの事業計画書の書き方―VCや投資家から資金調達する極意を解説

創業計画書と事業計画書の違いをおさえた計画書を作成しよう

創業計画書と事業計画書の違いは作成するタイミングで、それぞれのフェーズに応じて

作成のコツも異なるため、この記事で紹介したポイントを意識しながら作成を進めてみてください。

創業計画書や事業計画書づくりの経験がなく不安な人は、ドリームゲートが無料で提供する「事業計画書作成ツール」を利用するのがおすすめです。

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