カフェ開業について
QUESTION
テイクアウト専門の小さなカフェを開業予定で、融資や助成金を活用したいと思っております。
現在、事業計画書を作成しているのですが、物件も決まっていない状態で何を基準に売上予測などを立てていけば良いのか全くわかりません。
また、現在海外のカフェで働いており、このカフェの売上を参考に売上予測を立てておりますがあくまでも予測ですし信憑性がないのではと感じております。
(帰国後に日本で開業)銀行から借入をするためにはどのように作っていけば良いのでしょうか?
また、物件が決まってから事業計画書を持って銀行へ足を運ぶという流れになるのでしょうか?
ANSWER
>現在、事業計画書を作成しているのですが、物件も決まっていない状態で何を基準に売上予測などを建てていけば良いのか全くわかりません。
⇒
物件が決まっていないので詳細な計画は立てられないと思いますが、出店する大まかな場所を想定されているようでしたら、そのイメージで予測を立てることをお勧めします。
通常カフェの場合は、「客単価×座席数×回転数」で予測することが多いです。
でもテイクアウト専門でしたら、「客単価×来店客数」という算式になると思います。
「客単価×来店客数」で予測する場合に、その根拠となる材料をなんらかの形で見出すことが大切です。
根拠となる材料を探す方法は、次のようなやり方があります。
①出店予定地の市場調査を行う
例えば市街地に出店する場合、どのようなお客様をターゲットにするのかを決めます。
「駅周辺の会社に勤めるサラリーマン」とすれば、駅の乗降客数、周辺にある会社の数とおよその社員数、通行人の数などを調べます。
②競合店調査を実施
次に、競合する可能性のあるお店について調べます。
テイクアウト専門のカフェはあまり存在していないと思いますので、スタバやドトールなどカフェについて調べます。
どこにどんな店があって、メニューや接客サービスの質はどうか、来客数はどうかを調べます。
それらに対して、出店予定のお店のメニューなどと比較し、お客様から見た魅力度を評価します。
③採算ラインの売上を算出する
逆に材料や家賃などのコストをカバーして黒字が出せる売上高を計算します。
そのうえで、①②の調査から採算がとれる売上が出せるかどうかを考えていきます。
以上のようなステップで出すのが妥当です。
もちろん売上予測はあくまでも予測ですから、確たる信ぴょう性はないのが当然です。
しかし上記のような調査を行っていれば、金融機関に融資を申し込みしたときに納得してもらえる可能性が高まります。
とはいえ、現在は海外にいらっしゃるので、足を運んで調べるのは難しいと思います。
その場合は、グーグルの地図などを利用してできる範囲で下調べをして、帰国されたときにそれを補う調査をされるといいでしょう。
ちなみにテイクアウト専門のカフェは、日本にはまだあまりないと思います。
もちろん大手チェーンやコンビニでテイクアウトをやっているので、それらとは違う魅力をもったカフェを開店することが大切です。
たとえば、今お勤めのカフェに特徴があれば、それを生かした形を取り込むことによって特徴が出せるので、話題性が出ると思います。
次に融資の受け方についてご説明します。
普通の銀行では開業のための融資はなかなかしてくれないのですが、日本政策金融公庫という国の金融機関なら積極的に融資してくれます。
日本政策金融公庫サイト→https://www.jfc.go.jp/
全国に支店があるので、開業予定地の支店へ相談することになります。
融資申し込みの手順としては、やはり物件を決めてからにする必要があります。
「○○市内のどこかでやります」だと融資が決まらないので、なんとか申し込みする前にどの物件でするか探さなくてはなりません。
とはいえ、物件を契約するのは融資が決まってからで大丈夫です。
万一、決めていた物件が融資申し込みの後に他の人に取られてしまったら、また別の物件を探して融資の担当者へ伝えればいいのです。
次に、金融機関の審査にパスするためのコツについてご説明します。
知っていただきたいこととして、金融機関が審査するときのチェックポイントがあります。
融資について、金融機関がチェックするポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。
①財政状態
本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。
当然、預金などの財産は多いほうが、負債は少ないほうがいいということになります。とくに財産については、同居家族名義も含めて積極的に情報開示することが、高評価につながります。
②経営者としての資質
これは、「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、「経歴書」に、「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ということが明確に分かるように記載することです。
③事業の見通し
これは、「創業計画書」で示すべきポイントです。
予定しているビジネスの内容については、相手が中学生でも理解できるように、分かりやすく記載することがコツです。
金融機関の担当者は、金融のプロですがビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどにはくわしくないのが普通だからです。
また、収支の見通しについては、「絵に描いた餅」と思われないように、できるだけ客観的に見て「なるほど」と納得してもらえる根拠を説明する必要があります。
これについては、上記でご説明した方法で根拠となる材料を示すと有効です。
※ドリームゲートオンライン相談を参照