創業を計画する際、いつ銀行へ融資の相談をするべきか教えてください。

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2022/04/05  最終更新日: 2023/10/26

QUESTION

現在は小売店のマネージャーをしているのですが、今年、個人事業として雑貨店を立ち上げる予定で準備を進めています。

現在、店舗のコンセプトや収益予想、創業当初の必要経費などの割り出しを行い、創業計画書がある程度形になってきています。

そこで、作業を進めるに当たり、一点質問があります。銀行への融資の相談は、どのタイミングでいくものなのでしょうか。店舗物件の目処が立ってから相談にいくべきなのか、事前に銀行へ融資の相談をした上で物件探しに着手すべきなのか、このスケジュール感が分からず悩んでいます。また、何ヶ月前に銀行から融資を受けているのがよいのか、そのあたりの段取りについてアドバイスをお願いします。

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ANSWER ある程度、事業計画書が完成してから銀行へ融資の相談に行きましょう。

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お問合せの銀行への相談タイミングについてですが、結論から申し上げると、まずは、はやめに金融機関に融資の相談に行きましょう。
すでにある程度の事業計画ができておられるとのことですので、相談に行ける状態であると思います。その際に、必要書類や準備すべきことなどの情報を得てください。その情報に基づいて、行動されることをお勧めします。

借入の基本的なこととして、

①創業の場合には、事業の実績がありませんので、事業計画の内容と個人の信用で融資されるか、金額がいくらかがきまります。

そのため事業計画書(創業計画書)が必要になります。また、個人の信用とは、過去に借入の返済遅延がないか、自己資金がどの程度あるか等です。

②融資額の3分の1程度の自己資金が必要です。(10分の1程度の自己資金で大丈夫な融資制度もあります。)

③融資には、運転資金と設備資金があります。

運転資金は、人件費や広告宣伝費などに使う経費です。設備資金は文字通り設備購入のために使います。店舗の契約金や保証金、内装・外装費用などは、設備資金になります。店舗の賃貸契約書がないと融資申し込みができません。内装や備品の見積もりも必要です。事前に金融機関に相談に行かれる際には、まだ賃貸契約はしていませんが、どのエリアで、どのくらいの広さの店舗を借りようとしているのか、などのプランは持っていかれた方がよいです。

④融資の審査・実行には1ヶ月以上かかります。

提出された融資申込書や事業計画書(創業計画書)などに基づき、金融機関や信用保証協会が、調査を行います。ここで融資額が決定します。(申込額どおりの場合もありますし、減額される場合もあります。)申込から実行まで時間を要します。なので、開業すると決めたのであれば、なるべく早く準備をはじめましょう。物件探しは、すぐに始めて結構です。賃貸契約書が必要ですので、契約書がないと融資してもらえません。

また、内装の見積もり必要です。例えば、7月オープンとすると6月中には内外装工事が完了している必要があります。6月に内装工事をするとなると、5月くらいには物件を決めて、賃貸契約を結び、保証金や家賃など支払う必要があります。保証金や家賃の支払いが手持ちの現金で賄えるのであればよいのですが、そのでない場合には、このタイミング(5月)で融資が下りている必要があります。なので、融資の申込から融資決定、実行までに1ヶ月以上はかかります。事業計画の内容などの審査もありますので、早めに相談に行かれて、準備を始めていただければと思います。

なお、創業時に一番借りやすいのが、日本政策金融公庫です。また、地元の信用金庫などです。信用金庫で借り入れをする場合には、信用保証協会の審査が行われます。一般論ですが、メガバンクや地方銀行は、創業融資にはあまり積極的ではありません。また、お住まいの地域の行政(市区町村)で、創業融資の利子補給をしていることもありますので、合わせてお調べになり、相談に行かれるのがよろしいと思います。

この質問に回答した専門家
星野 裕司(ほしの ゆうじ)
セカンドブレインコンサルティング
中小企業診断士/ThinkuBuzan公認マインドマップインストラクター
シニアの起業についても積極的に支援される中小企業診断士の星野さん。大学時代、ヨット部で鍛えられた精神力で納得出来るまで事業の相談に乗ってくれます。
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