資本金の増減はどのような時に発生するのでしょうか?
QUESTION
親族が経営していた会社を引き継ぎました。従業員は自分だけで、小規模でやっています。現在、自分が会社の会計処理や資産の整理などを行っています。以前まで、このような内容に触れることがなかったので悪戦苦闘しながら進めています。
そこで質問なのですが、資本金の増減はどのような時に発生するのでしょうか?初歩的な質問なのですが、まだ会計の流れ・感覚を掴みきれていないので教えてほしいです。
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ANSWER 増資・減資や事業の儲けによって増減が発生すると言えるでしょう。
資本金とは商売を始めるにあたって、用意する「元手」です。会社形態じゃなくても、とにかく商売を始めるには元手となる「お金」が必要ですよね。その元手となるお金で商売を始めていって利益が出たとします。そうすると、その儲けた分だけ元手が増えますね。それが資本金の増減する仕組みです。もちろん損をしたら元手(=資本金)が減るわけです。
ただ、会社形態の場合は単純に利益が出たから資本金の額そのものが増える、損を出したから資本金が減る、というようには帳簿に表示しません。あくまで資本金の額はそのままに表示しておいて、儲けた分・損した分を別の科目で表示するようにします。そして、資本金の額とその別科目の金額を足せば、増減した資本金の額(=元手)になります。
他にも資本金が増減する場合はあります。増資なんかがそうです。資本金を増やすということは、出資者が元手となる金額を出してくれるということです。減資もそうですね。資本金を減らすということは、基本的には出資者にお金(=元手)を返還するということです。
最後に増資と減資のメリット・デメリットについて触れたいと思います。
増資するメリットに関しては以下のようなものが考えられます。
- 返済不要の資金調達が可能
- 財務体質の強化に役立つ
- 信用力の向上
借入金と異なり返済不要という特徴などがあり、資本金が額が大きい会社ほど経営が安定していると見られるので金融機関からの信用度が高まります。
増資するデメリットとしては以下のものがあります。
- 経営が思うようにできなくなる
- 配当金の増加
- 新株発行の手数料
減資は「株主への資産の払い戻し・節税・事業再建」を目的に行われます。
減資の種類には、実際に資金の減少を伴う有償減資・資産の減少が伴わない無償減資・発行済み株式のすべてを償却する100%減資などがあります。
減資するメリットとしては
- 有償減資の場合、余剰資金を生み出すことができる
5億円に設定していた資本金を3億円に設定することで、余った2億円を配当などに充てることができます。
- 無償減資の場合、財務内容を改善できる
欠損金を資本金で充足することで財務諸表の状況を良くすることができ、資金調達の可能性を高めることができます。
減資のデメリットとしては
- 有償減資の場合、会社の財産が減少する
会社の財産が減ることで、経営に使える資産が減少します。
- 無償減資の場合、会社の信用が低下する
資本金の大きさは会社の信用に直結しています。そのため資本金が減ることは会社の信用が低下することにつながります。
質問者様の事業が上手くいくことを願っています。頑張ってください。