株式の買い取り額

公開日: 2017/02/17  最終更新日: 2019/11/22

QUESTION

起業したのですが、株主でもある創業パートナーが退職することとなり、パートナーの持つ株式を買い取ることになりました。ただ、1株あたりの適正な価格がわかりません。パートナーからは額面で買い取るように要求されていますが、現時点では預貯金などの資産も大幅に減っており、まだ利益もほとんど出ていません。現時点では、額面とおりの金額で買い取るのは納得がいきません。こういった場合、1株あたりの価格はどのように決定すればよろしいのでしょうか?

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ANSWER

◆1.株式売買の基本的な考え方

個人間の株式の売買は、売主と買主の合意があればいくらで売却しても売買は成立いたします。ただし、譲渡制限会社の場合には、取締役会における譲渡承認が必要になります。

◆2.税務上の考え方

今回は、買主の税務についてのみお答えさせて頂きたいと思います。個人間の売買の場合適正な時価による売買であれば特に問題はありませんが、それよりも低い価格で売買をした場合には実質的に贈与を受けたとみなされる部分の金額について贈与税が課税されます。

◆3.適正な時価とは

非上場会社の株式売買の場合には、市場価格が存在しないため、通常は適正価格の売買であれば、税務上の問題も起こらないと考えられます。ただし、この適正価格は買主の立場で異なってまいります。今回の場合は、パートナーの持株を買い取ることにより同族会社の筆頭株主になることが想定されますので、純資産価額等をベースにした評価方法になります。(実際には会社の売上等の規模や財務諸表を確認して評価方法の決定および評価を行うことになります)通常は、譲渡時の前期末の貸借対照表を時価ベースに直して評価をすることになりますが、もし、今回設立第一期中であれば、仮決算を組まなければ正確な計算は出来ないと思われます。

◆4.まとめ額面とおりで購入する事に納得がいかないということですので、第三者(税理士等)に会社の株式評価をしてもらってその評価額を目安に売買金額を決定する方法もあろうかと思います。