新規事業の立ち上げにあたり、公庫の「新事業活動促進資金制度」は利用できますか?

QUESTION:新規事業の立ち上げにあたり、公庫の「新事業活動促進資金制度」は利用できますか?
仏具店を経営しています。平均月商はおよそ700万円です。
近年、墓石の需要が減少傾向にあり、それにともなって売上も落ち込んでいます。
財務面では、コロナ禍で受けた融資の返済がこの5月からはじまり、加えて以前から借入れしている設備資金や運転資金については、地方銀行と信用金庫に対して巻き直しを依頼している最中です。このままでは資金が底を突く可能性があり、不安な日々を過ごしています。
こうした状況を打開し事業を立て直すため、近年ニーズが高まっている「オンライン法要サポートサービス」を新規事業として、年内に展開したいと考えています。
新事業の立ち上げにあたっては、日本政策金融公庫の「新事業活動促進資金」制度を活用し、2,000万円の借入れを検討しています。
そこで以下の3点についてご教示いただけますと幸いです。
①この制度の利用が適切かどうか
②ほかにより適した融資制度があるかどうか
③審査に通過できるかどうか
よろしくお願いいたします。
ANSWER:審査に通過できるかどうかが重要です。
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日本政策金融公庫の「新事業活動促進資金」をご検討中とのことですね。まず、ご質問の①と②についてですが、この制度はもちろん妥当な選択だと考えられます。
ただし、公庫の融資においては、申込者が特定の制度を選ぶ必要はなく、公庫側が、業種や資金使途に応じて最適な融資制度を判断します。
重要なのは、③の審査に通過できるかどうかです。
決算書の内容や、現在の公庫からの融資残高によって、追加の借入れが可能かどうかが大きく左右されます。
黒字経営かどうか、自己資本比率がどの程度かといった財務状況も重要な判断材料となります。
一般的に、日本政策金融公庫のコロナ融資の残高がある状態で、2,000万円の追加融資を希望する場合、金額がやや大きいと判断されるケースがあります。
仮に年商が約8,400万円と想定すると、金融機関が妥当と判断する借入総額の目安は、おおむね2,800万円~4,200万円程度です。
それを上回る借入れを目指す場合は、新規事業における事業計画の実現可能性や収益見込みを、いかに具体的かつ明確に提示できるかが重要なポイントとなります。