これから起業を目指す方々へのメッセージ

公開日: 2015/03/16 

夢とそろばん

「起業」とは何でしょうか? 起業イコール、生き方、自由、お金、成功、ロマン…

人が起業しようと思う理由は一見さまざまです。私が10年以上前に起業した際にやりたかったのは、自分が納得できるコンサルティングをとにかくとことん追求すること。

言い替えると、自分の夢を追求するための起業でした。生き方であれ、自由であれ、お金であれ、起業とは「夢」を追求することと言うことができるのではないかと思います。

夢は起業のエンジン。起業家を駆り立てるものであり、欠かせないものです。夢があるからこそ、たとえ苦しいことがあっても走り続けることができます。ただ、起業家にとって欠かせないものがもう一つあります。それが「そろばん」です。

どんなに夢をもって立ち上げた事業も、お金が尽きた瞬間に倒れます。それを防ぐために必要なのがお金の管理であり、そろばんです。ちょっと小難しく(?) 言えば、「会計」です。

夢に向かって事業というクルマを走らせましょう。その時、あなたはどんなスピードで走りますか。夢に向かって猛突進? それとも、道中の景色を楽しみながら?

余談ですが、私はクルマが好きなので、レンタカーを含めて色々な車に乗ったことがあります。これまで、タコメーター(回転速度計)がない車は見たことがありますが、さすがに速度計(スピードメーター)がなかったり、燃料計がない車というのは見たことがありません。それはそうですよね。何キロで走っているのかわからない、あとどれぐらい走れるのか見当もつかないクルマで走るのはとても危険ですし、日本では車検に引っ掛かって走ることすら認めてもらえないでしょう。

会計(そろばん)というのは、クルマでいうところの速度計であり、燃料計です。自分の事業が今何キロで走っていて、あとどれぐらいの燃料があるのかを把握する。事業には通常は免許も必要ありませんし、車検もありませんが、速度計や燃料計を持っている、そしてそれをちゃんと活用していることは、当然必要なことです。

もちろん、事業を進めていく上で、速度はある程度体感できるでしょう。売上が順調かどうか。でも、それが適切な速度なのかどうか。黒字倒産というものがありますが、これは儲かっているのに、倒産してしまうことです。なぜこれが起きるのかというと、簡単に言えば、お金(キャッシュ)がなくなったからです。クルマで言えば、ガス欠。調子いいな、と思って飛ばしていたら、突然のガス欠。燃料計に目をやっていれば、少しスピードも落としていたでしょうし、早めにガソリンの補給もできたでしょう。

調子がいい時以上に、悪い時にこそ速度計や燃料計を逐次チェックすることが必要です。思ったほど速度が出ていない、でも燃料は刻々と減っていっている。この場合、目的地を変更する必要があるかもしれませんし、場合によっては、クルマをより燃費の良いものに乗り換える必要すらあるかもしれません。

会計であり、「そろばん」は、自分の事業が今どんな状況にあるかを正確に、かつタイムリーに把握すること。それは事業として生き延び、そして夢を実現するために必要なことです。

本リポートでも明らかになった「デスバレー(死の谷)≒ターニングポイント」。起業してから2年目前後に安全率が極端に下がる時期がやってきます。特に赤字化企業の2年目は安全率が「1.15」と1に限りなく近いレベルにまで落ち込んでいます。安全率の定義は、保有しているお金(キャッシュ)を毎月の運転資金で割ったものですから、1に近いということは、1ヶ月をギリギリ乗り越えられるかどうか、ということです。

資金繰りを一歩誤れば倒産。そんなギリギリのところにあるからこそ、速度計や燃料計をキチンとチェックすることが必要なのです。また、ギリギリだからこそ、自分でタイムリーに把握できる必要があります。

本リポートで、健全企業の方が自計家率が明らかに高いのは決して偶然ではありません。自分で正確に、かつタイムリーに把握できるからこそ、苦しい時期を乗り越えることができるし、その後健全な成長を実現することができるのです。

私は起業した会社を約8年間経営しましたが、その後、ご縁があり、新たな夢を求めて弥生株式会社を率いることとなりました。弥生との出会いもご縁ですが、それ以上に、起業家にとって欠かせないそろばんというツールを提供し、起業家の皆さまのお手伝いをできる立場になったことこそがご縁ですし、自分にとっての天命だと感じています。

弥生は皆さまの夢を応援しています。どうぞ、そろばんを活用して、皆さまの夢を実現してください。

弥生株式会社
代表取締役社長
岡本 浩一郎