不動産業

公開日: 2015/03/15  最終更新日: 2020/05/25

黒字化企業全体の安全率は6.30ポイント。ギャップ率は24.5ポイントとなった。不動産業界は幅広く業務は多岐にわたる。今回の調査結果では、個人が開業しやすい物件紹介、仲介業に限定する。不動産業のコストのうち、他社の管理する物件を取り扱う際に発生する手数料や情報料、物件管理費等が原価となり、売上の30%程度とされる。それ以外では人件費が最大のため、ここをいかにコントロールするかがポイントだ。一般的に不動産会社では基本給を抑えて歩合給を高めに設定する事が多い。

この業界で起業を目指すなら…
顧客を捕まえ続けられるかが勝負

不動産業界の特徴としては、営業マン個人の力量によるところが大きい。不動産といえば個人の買い物としては人生でも最大級だ。それゆえ、信頼できる成約に至るまでのプロセスが長く、営業マンとの個人的信頼関係によって決まることも多い。住宅やマンションの販売であれば、一件成約するたびに数百万単位のインセンティブフィーが営業マンに払われる事も多く、トップ営業マンであれば数千万円もの年収を稼ぐ事もある。そうなると、より多く稼ごうとして独立開業する場合が多い。

しかし、そうしたモデルは俗人的であるから、大規模化や組織化が難しい。また、常に新規の顧客を探し続けなければいけないという課題もある。

一方、市場としては人口減により空室率が高止まりして、賃貸であれば家賃相場の低下、販売においても価格競争は激しい。

こうした状況から、インターネットでの集客を活用する会社も多い。例えば、不動産以外の商材と組み合わせて集客するビジネスモデルだ。引越しに伴って発生するインターネット回線の契約であったり、家具・家電の買い替え、不用品の引き取り・買い取りなどで集客して不動産仲介につなげるというやり方もある。

とくにインターネット回線などは成約毎に数万円の報奨金が得られるため、それを原資に賃貸契約料を値引きしたり、引越し代金を無料にしたりなど、アイデアしだいでさまざまなビジネスが展開できるだろう。