運送業

黒字化企業全体の安全率は4.17ポイント。ギャップ率は34.5ポイント。運送業界は、人件費と燃料費等の原価コストが運転資金の大半を占めている。利益率が9%と高いが、これは経営者の利益を含めたケースが多いためだろう。実態は黒字企業でも1~2%の営業利益が残れば良いほうだと言われている。

ただし、ギャップ率に関しては34.5ポイントとさほど悪くはない。受託型ビジネスなので、ある程度の顧客が確保できてから開業するためか、実績値が計画から大きく乖離することはないだろう。

この業界で起業を目指すなら…
他業界とのタイアップも視野に、独自の強みを明確化し続けよう

引越し事業を運営するためには、「運送業」として地方運輸支局への届出もしくは許可が必要だ。また、「貨物軽自動車運送事業」「一般自動車貨物運送事業」などの分類があり、地域よって届出・許可の条件や申請手続きが異なるので、所管の地方運輸支局に確認してほしい。この業界は、大手専門業者から中小零細業者まで、競合が非常に多い。ほぼ見積が求められるなど、価格競争を強いられることも覚悟しておかなければならない。

3月下旬から4月上旬にかけての需要が年間で一番のピーク。それ以外の閑散期をどうやって乗り切るか、多くの企業が知恵を絞っている。企業や不動産会社などへの営業活動に注力するのはもちろんのこと、宅配など小口配送、不用品回収、リサイクルショップを兼営するなど、年間を通じて売上を得るための努力が必要となるだろう。現在、長距離よりも近距離が、家族単位よりも単身者の引っ越しが増えていることも覚えておいてほしい。

多くのライバルの中から選ばれるためには、独自の強みを明確に打ち出す必要がある。それは価格の安さなのか、丁寧なサービスなのか、そのほかの付加価値サービスなのか。某プロバイダとの営業提携により、ユーザーが当該プロバイダと新規契約を結べば、単身者の引越し料無料というキャンペーンを行い急成長している企業もある。別業界とタッグを組むことで、ユニークで新しいビジネスモデルが生まれるかもしれない。