飲食業

黒字化企業全体の安全率は4.73ポイント。飲食業界は、毎月必ず出ていく、人件費、仕入れ等の原価コストが運転資金の内訳のうち、大半を占めている。また、他業種と比べても離職率が高いといわれているため、突然の採用コスト発生も不安要素の大きな原因となる。さらに、災害や気候変動による、食材仕入れコストの急な高騰への備えも検討しておかなければならない。黒字化企業は、それらの突発的なコスト発生に対処するためにも、5カ月分弱の運転資金を確保しているようだ。また、ギャップ率は22.4ポイントとなった。計画より売上が下回っても、回復がしやすい業種といえる。

この業界で起業を目指すなら…
従来のやり方が通用しない激戦業界。常に新しいアイデアが求められる

「オーナーが行きたい店を想定して開業した飲食店は長く続かない」とよく言われる。もちろん、そのコンテンツが素晴らしく、多くのユーザーに求められているなら継続は叶うかもしれない。しかし、世の中を見渡せば、飲食店は星の数ほど存在している。そんな多くのライバルたちに勝てる店をつくるのが、簡単ではないことはおわかりだろう。

そして、一口に飲食業といっても、その種類は多岐にわたる。レストラン、居酒屋、ラーメン店、ファストフードなどなど、業態がバラエティに富んでいるうえに、各種複合店も登場している。また、大手飲食チェーンの台頭、大量仕入れによる価格のデフレ化により、「うまくて、安い。サービスもそこそこ」が当然の潮流となった。

これから飲食業界で起業して成功を目指すなら、メニュー、サービス、立地と要因は様々ではあるが、やはり誰にも真似できない、差別化された目玉商品が必須となるだろう。今回のアンケートでは、異業種参入率も調査している。その結果、黒字化企業の異業種参入率は62.1ポイント、赤字化企業では47.8ポイントだった。経験や従来の常識にとらわれない新しい挑戦が求められているマーケットという側面もあるようだ。