ハワイ雑貨、コーヒー豆などを輸入してネットショップで販売。1年の半分は海外で生活の女性起業家のステキなライフスタイル

公開日: 2015/03/30  最終更新日: 2019/11/22

冒頭

1999年にコーヒー豆の個人輸入事業をスタートし、有名メーカーのリーサンズ日本進出に参画、そこからテレビショッピングでのプレゼンター役などもこなし、2007年には法人化。インタビューをした2015年1月時点で、スタッフは10名ほどの会社に成長している。

元々はスキューバーダイビングのインストラクターや、保険会社の営業なども経験し、テレビショッピングのプレゼンター、そして輸入商品の卸売業・ネットショップ運営会社の社長業と、多彩な経歴を持つ水野 裕子氏に、開業に至った経緯と事業の軌跡・計画などについて伺ってきた。

アロハ マーメイド/株式会社ウォーターフィールド44

代表 水野 裕子 Yuko Mizuno

事業内容 海外から輸入した雑貨、コーヒー豆、アクセサリー、イールスキン製品の販売
所在地 東京都港区南青山
事業計画書の安全率 4.59

【無料】事業計画作成サポートツールなら、3分で事業計画書が無料で作れます。さらに作成した事業計画書を先輩経営者と比較した順位も判定。要チェック!>>

1:事業内容
ハワイ雑貨やコーヒー豆、手作りのアクセサリーやイールスキン製品を扱う卸売から、ネットショップでの販売事業も展開

当社では「アロハ マーメイド」というブランド名のネットショップを運営しています。会社名は株式会社ウォーターフィールド44で、店舗名が「アロハ マーメイド」。会社は表参道にありますが、物流拠点は埼玉にあります。埼玉のロジスティック拠点から日本中に商品を発送しています。

売り筋の商品は、イールスキン(※)ですね。日本でまだ取扱いが少ないころから事業を展開している事もあり、当社のイールスキン商品を指名買いしてくれるお客様も多いです。

※イールスキンとは、ウナギの皮を用いたバッグや財布などの製品を指す。

ネットショップは自社で構築したECサイトのほか、2年前からは楽天やYahooショッピングにも出店しました。楽天で当社のイールスキンの財布が、レディース財布部門で1位は7回取った事もあります。それ以外のカテゴリもあわせると、楽天での受賞回数は28回ほどになります。そうしたこともあり、おかげさまで楽天からの売上やお客様が多いですね。

他には当社で独自ブレンドしたコナコーヒーを扱っています。あとはハワイで作られた手作りのハワイアンジュエリーやアクセサリーも輸入販売しています。手作りで量産できないものばかりですので、一気にたくさん輸入して販売できないのが悩みどころです(笑)。あとはハワイ雑貨も扱っています。 ハワイのパワーと雰囲気が大好きで、ハワイなどナチュラル感あふれる商品を日本で売るというのが私のビジネスですね。

海外が好きなので、1年の半分以上は海外で生活しています。ハワイはもちろん、最近は東南アジアにもよく行きます。オーガニックのサプリメントや化粧品を手がけ始めました。これからが楽しみです。

お客様の大半は女性で、現在の年商は数千万円くらいですね。ちなみに原価率は25~30%です。小売業としては低いほうだと思いますが、これは卸売ビジネスがもともとベースにあるので、低い原価率になっています。経費として大きいのは輸入に関する運送費とハンドリング費用ですね。これが全体の40%くらいになります。発注の頻度は月に数回ほど。売上状況を見ながら、細かく発注をして在庫を抱えないようにコントロールしています。

2:創業のプロセス・苦労したこと
デザイン学校時代のヨーロッパ研修がきっかけで輸入ビジネスの道に。やりたい事をやっていたら、自然と起業していた

実家が自営業だったので、自然と経営マインドは身についていたように思います。自分でビジネスをしたいと思った最初のきっかけは、デザインの学校に通っていた時に、研修で1か月間、欧州をまわったんですね。そこでヨーロッパの雰囲気にときめいてしまって、ヨーロッパ製品を扱う仕事をしたいと思い、欧州から服の生地を輸入する会社に入社しました。ここで輸入ビジネスについてのノウハウが身につきました。

その後、ある事情により外資系保険会社に転職して、営業のお仕事をしていたのですが、同時に1999年からコーヒー豆を個人輸入して販売するビジネスを開始していました。

転機となったのは2000年頃だったか、ハワイにいる知人から誘いを受けて、リーサンズという有名メーカーが日本進出をするということで、その立ち上げを関わる事となったんです。

リーサンズの日本進出と合わせて、Q.V.Cという24時間テレビショッピングだけを放送する専門チャンネルの会社がアメリカにあるのですが、そこが日本に進出(※)するという事でした。

※) Q.V.C Japanは米国QVC Inc.と三井物産の合弁会社で2001年4月に開局した。

開局早々、いきなりQ.V.CJapanのテレビショッピングで商品を紹介するプレゼンターとして、テレビ出演をするようになりました。イベントでの司会やナレーションをした経験も生かされました。ただ、それだけにとどまらず、ついには私は両者の間に入って、商品の輸入から納品まで担当する仕事をしていました。

3:お金と計画に関する考え方
法人化して2年間は会計ソフトを使って自分で帳簿付け。卸売業から自社での直販比率が高まり、事業計画を再度立案中

私のビジネスの最初は個人事業でしたから、事業計画書と呼べるようなものはないままスタートしていました。また、リーサンズとQ.V.Cとの取引も、先方にいわれるがまま、とにかく売る商品を輸入して納品するという仕事でしたので、販売計画なども不要でひたすら輸入をしていれば良かったんですね。業態としては卸売業ですが、買い手が決まっていたので資金繰りにも悩まなくて良く、とても恵まれた事業環境だったと思います。

ただ、ここ数年は自分で売りたいものを売るようになってきたので、事業計画を改めて作っている状態です。ネットショップで売るほか、百貨店での催事に出展したり、カタログ通販の会社に商品を提供していたりします。また、新たな販促方法として、ブレスレットやキャンドル作り、コーヒーなどをテーマにしたワークショップを開催していますね。ワークショップ経由で当社の商品に興味を持っていただいて、売上につなげています。

2007年に法人化したのですが、会社設立して最初の2年間は弥生会計を使っていました。今はビジネスが忙しいので、顧問の税理士さんに経理業務全般をお願いしているのですが、最初は自分で帳簿付けや会計管理を行っていた事は、とても勉強になりましたね。

輸入販売のビジネスは、商品の輸入手続きから、海外の取引先への支払、在庫管理などで間接業務が多いので、最新の数字を常に把握している事は、経営上とても重要だと思います。それこそ販売見込みを間違うと資金繰りが一気に悪くなったりしますので、そうした点への注意を欠かさない事は、事業を続けるうえで重要な仕事の1つですね。

4:これから開業する方へ
想いは実現する。迷わずに挑戦してほしいけど、多角的なものの見方は忘れないように

これから起業する方にメッセージですか。私が一番大事だと思うのは、多角的に考える事ですね。自分の好きな事をやっていても、偏った物の見方をしないように、バランスを取るように心がけるべきだと思います。

ただ、私の場合は、自然と起業してしまっていたというか、大きな流れみたいなものがあったように思います。ちょっと不思議がられるのですが、会いたいと思った人が向うから来たり、やりたいと思った事は実現したり。想いが実現するというか。なので、私のアドバイスはあまり参考にならないかもしれません(笑)。

私は海外にいるのがとても好きなので、とにかく海外に居られるように仕事をしたいということで、今のビジネスになったのだと思います。もちろんビジネスですから辛い事もたくさんありますが、その分、ステキな人達との出会いもあり、今の私があるのだと思いますね。

自分のやりたい事のために起業が必要であれば、迷わずに思い切って挑戦したほうが後悔もしないですし。人生は一度きりですから、好きなこと、やりたい事をやって生きたほうが良いですよね。