ビジョンと計画をリンクさせて、世界に誇れる会社づくりにまい進!

公開日: 2015/03/18  最終更新日: 2019/11/22

リューグー株式会社

代表取締役社長 松本宙士 Juhito Matsumoto

事業内容 レザー製品の販売
所在地 東京都多摩市
売上高 約5億円(2011年6月期)
事業計画書の安全率 7.06

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1:事業内容
日本トップクラス! レザーアパレルのネットショップ

「もっとレザーを気軽に楽しもう!」をコンセプトに、レザージャケット・パンツや革ジャン、ブーツ、バイク用品のネットショップを運営しています。商品は自社オリジナルのほかに、多くの国内外メーカーの製品も厳選して取り扱っています。革ジャンは約2万着と日本最大級の品揃えで、本革の新品で1万円台が中心という、低価格と安心品質が大きな特長。低価格の秘密は、自社ブランドを海外工場で閑散期を中心に一括大量生産していること。そして、安心品質が提供できる理由は、材料一つ一つの選定から製品完成までの全工程を厳しくチェックしているからです。

また、お客さまに早く商品をお届けできるよう、全品3営業日以内に発送しています。さらに1年間の品質保証をつけているほか、30日以内返品、サイズ交換は何度でもOKとご安心いただけるサービスも行っています。

このように、「安い! 早い! 安心!」をモットーに取り組んでいます。年間3万人以上、男女を問わず20~60代と幅広い年齢層のお客さまにご利用いただいていますが、レザー専門アパレルのネットショップとしては、おそらく日本でトップクラスの存在だと思います。

自社サイト「Liugoo Leathers STORE」のほかに、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」「アマゾン」にも出店しているほか、「GooBike」「Webike」「BikeBros」などバイクのポータルサイトにも商品を提供しています。

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2:創業プロセス・苦労したこと
大学の先輩との出会いが、最初の一歩のきっかけ

実家や親戚が全員商売を営むという商人の家系に生まれました。しかし、私は大学で会計を学び、卒業後、金融系の会社に就職して、周囲から珍しがられました。ただ、この会社も2年で退職。自分の中に甘えがあったせいか、その後は何をやっても中途半端な状態でした。しかし、25歳で結婚することとなり、これを機に真剣に生きようと思って、起業を決意したのです。

以前からネットオークションが好きでよく利用していました。そこで、これを使って本格的なネットビジネスを始めようと思い立ち、40万円の資金を握り締めて妻とイタリアに雑貨品やブランド品を買い付けにいきました。

しかし、これをオークションに出すもうまくはいかず……。すると、ある親戚の人がバイク用品やカー用品の卸会社を経営する、大学の大先輩を紹介してくれたのです。さっそく、その会社の倉庫に行ってみると、たくさんの商品が積まれていました。

この在庫の山を見て思わず「これをネットで売らせてください」とお願いして、取引を始めさせてもらいました。

相手方は、少しでも在庫を捌ける可能性をメリットに感じてもらえたのかもしれませんが、それ以上に「後輩の面倒を見る」という大学の校風を実践していただけたのだと思っています。

その大先輩には、不安定な創業期にいろいろサポートしていただきました。本当にありがたかったですね。

3:成長の軌跡
自社企画生産の決断が競争力をもたらす

2005年に自宅の一室からスタートし、翌年に自宅近くの家賃8万円のアパートに事務所を構えました。創業当初は、「Yahoo!オークション」に出品するスタイルでのバイク用品の販売とともに、Webデザイナー・プログラマーの妻がWeb制作を受託するという2本立ての事業形態。どちらも同じくらい力を入れて必死に仕事をしましたが、開業初年度の年商は約800万円。私たちの給料は2人合わせて5万円にしかなりませんでした。

1年目の終わりに、バイク用品の中でも抜群に売れていたレザージャケットに特化したネットショップを立ち上げました。それは、妻の力を借りてつくった自社サイトでした。

さらに、2年目に「楽天市場」に出店したあたりから、爆発的に売れ始め、年商は一気に1億2000万円まで急伸。その後、年を追うごとに他のECモールなどにも出店し、ネットショップを多店舗的に展開することで、売り上げはどんどん増えていきました。

初年度から大手のレザーメーカーと取り引きできるようになりましたが、4年目には自社企画で商品を生産することを決断しました。

まだ誰もパキスタンに注目していなかった時代、レザーアパレル生産の世界的本場である同国に生産体制をつくりあげました。他社よりも早く本場のパキスタンに製造拠点を設けたことが、大きな競争力をもたらしてくれたと思っています。

4:会計はビジネスのスピードメーター
会計ソフトでタイムリーな管理が可能になり経営力アップ!

自計化のきっかけ・・・

創業からしばらくは、売上や原価、経費などの会計管理をExcelで行っていました。かし、2年目になるとそれでは収拾がつかなくなり、税理士の友人に相談しました。それで、勧められた会計ソフトを導入することにしたのです。 創業初期から自計化していたといえます。ただ、業績が急拡大した3年目あたりから事業の状況が見えなくなり始め、的確な判断が下しづらくなり……。その頃は売上増にこだわり、もっぱらその対策に時間を使っていたのです。

その反動が6、7年目、売上横ばいというかたちで現れました。会計ソフトを入れていたものの、売上のことばかりに意識が取られて、数字のチェックがおろそかになっていたため、キャッシュフローの把握もままならず……。会社の現金が不足して自分自身の口座からお金を持ち出すこともしばしばありました。

自計化の効果・・・

そのことを反省し、税理士に協力してもらい、会計ソフトでタイムリーに会計管理ができる仕組みを導入しました。そのため、現在では全社で日々販路ごとの売上や利益額、商品のSKU(サイズや色別の最小の在庫管理単位)ごとの販売状況をはじめ、さまざまな数値も把握できるようになりました。単に会計ソフトを使うだけでなく、タイムリーに会計が管理できることは、経営をうまく進めるにはとても重要だと思います。

「世界に誇れる日本企業」を目指す当社にとって、こうした会計管理の仕組みは、未来を実現するための大切な武器になっていると思います。常に5年タームのビジョンと計画をリンクさせ、しっかりとした成長戦略を策定し続けていきたいと考えています。

5:メッセージ
恐いもの、わからないものの正体を見極めること

起業し、事業を継続させるために、困難はつきものです。しかし、いついかなる時も自分にしっかり向き合って、恐いものは恐い、わからないものはわからないと開き直り、それらの正体を見極めることが大切だと思います。私も、起業する時にもやもやした不安がありました。それは、以前働いていた金融企業で目の当たりにした「借金の恐さ」でした。そこで、無借金経営を貫こうと決め、不安と決別したのです。そう決めた後は、無借金経営できる仕組みを考え抜き、やり抜くしか道はありませんでした。

私には、創業時にお世話になった大先輩や、パキスタンでの自社生産の背中を押してくれた社員、そして苦労を分かち合ってきた妻がいます。彼、彼女たちが助けてくれたおかげで、今があると思っています。皆さんも、頼れる人の存在を大切にしてください。自分1人で事業拡大を望んでも無理なのです。お金ももちろん重要な経営リソースですが、パートナーの存在も、経営を成功させる大きな要因になると思います。

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