日本初 不動産仲介会社の営業マンを口コミで選べるサービス! プロ同士の不動産取引は、「ヒト」の信頼から始まる。エンドユーザーの不動産取引にも「ヒト」の安心感を!

公開日: 2015/03/16  最終更新日: 2019/11/22

パーソナルエージェント株式会社

代表取締役 坪内 健介

事業内容 パーソナルエージェントの企画・運営
マーケティング支援事業
コンサルティング事業
所在地 東京都中央区銀座1-18-2 太平ビル 6F

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冒頭

今回取材に訪れたパーソナルエージェント株式会社は、 「不動産仲介会社の営業マンを口コミで選ぶ」という斬新な切り口で不動産ビジネスに挑んでいるベンチャー。 2011年に開業し、同年6月には一部サービスを試験公開。 パーソナルエージェント社の代表である坪内氏の前職は、不動産系のベンチャー。そこでの経験から、不動産業界は新しいネットサービスが一気に普及することは難しいと見て、営業やシステムのコンサルタントとして稼ぎつつサービス開発を続けて、2013年10月末に満を持して全サービスのベータ版をリリース。坪内氏が開業してからこれまでの道のりを伺ってきました。

不動産系ベンチャーに勤めていた時の経験から、「プロ同士の不動産取引は、人の信頼で始まっている」という気づきを得て起業へ

パーソナルエージェントを設立したのは2011年4月。資本金270万円でスタートしました。

前職は飲食店のコンサルタント会社、オークションを手掛けるアイディーユー(現:日本アセットマーケティング)というベンチャーに勤めていました。起業を意識したのはアイディーユーでの経験ですね。ベンチャーならではのスピード感や世の中を変えるという情熱などに感化されて、自分もいつしか起業したいと考えるようになりました。

パーソナルエージェントのビジネスアイデアを思いついたきっかけは、前職時代に得た「プロ同士の不動産取引は人の信頼から始まっている」という気づきでした。不動産取引は売り主と買い主の情報格差が大きいため、売り主からの正確な情報公開がなければ、買い主は判断を誤ってしまいます。また、人生でそう多く経験できない不動産取引には、エンドユーザーである売り主(または買い主)に助言・アドバイスする仲介営業マンが必ず存在します。そこで、不動産のプロ同士の不動産取引では、窓口となる仲介営業マンが信頼できるかどうかがもっとも重要となっていました。

また、不動産仲介会社は、一部の超大手企業と、無数にある地元密着型企業の二極化が進んでいます。日本全国で12万3000社の不動産会社があると言われていますが、その99%以上は社員数30名未満の地元密着型企業です。

会社の知名度でいえば大手企業が圧倒的ですが、動かすことができない不動産は地元で長年営業している不動産仲介会社のほうがその地域のことを理解していていることが多く、地域にどんな人達が多く住んでいるとか、治安の良し悪しや街の変遷など、その土地に長く居ないと知りえない情報をユーザーに提供することができるという強みがあります。

地元に根付いている不動産仲介会社の営業マンに焦点を当てたサービスを思いつく!

そこで、地元に根付いている不動産仲介会社の営業マンに焦点を当てることを考えました。具体的には、地域密着型仲介会社の営業マンが口コミ情報を活動地域に蓄積できる仕組みを作りました。そうすることで、地域密着型企業は大手企業の企業ブランディングに対して個人ブランディングという差別化を図り、かつ、大手企業に比べて不安視されがちな信頼を見える化することができます。また、口コミ集客は広告型集客ではないため、地元密着の強みを安価に、かつ、中長期にわたってアピールすることが可能となります。

ユーザーは信頼性の高い口コミ情報をもとに、地域密着型の営業マンを検索することができて、さらに、「不動産相談・不動産売却・不動産購入」の仕事を口コミ評価付きで依頼すると、ユーザーの口コミ評価を高めたい営業マンから質の高い仕事提供が受けられます。

より良い仕事を提供した仲介営業マンがユーザーから選ばれ続けるという、ユーザーと営業マンの双方にとって良い好循環を生み出すことができるサービスとなっています。

収益源は不動産仲介会社からの営業マンの指名問い合わせ手数料。ユーザーから営業マンを指名した仕事依頼(インターネット不動産相談は除く)が入るたびに、当社に手数料が入る仕組みになっています。手数料も業界相場よりかなり安く設定しています。

コンサル仕事で売上を作ってメインサービス開発。最初のバージョンから1年半かけてサービスをプラッシュアップしていった。

2011年4月に会社を作って、2か月後の2011年6月には一部サービスの試験提供を始めました。もともと不動産系ベンチャーに勤めていたので、新しいネットサービスがすぐに普及していく業界ではないことは知っていましたから、最初から売上があがるとは思っていませんでした。

また、当社独自のネットサービスを開発するにあたり、売上以上に重要な指標をいくつか設けていましたので、メインのサービスでの売上は当初からあまり想定していませんでした。

2011年6月に試験サービスを開始したのですが、計画どおりというか、売上はあがらなかったので、営業やシステムのコンサルタントとして稼ぎつつサービス開発を続けました。開発は外部のパートナーに依頼していましたが、その開発費を捻出するためにコンサルで稼ぎつつ、地道にサービスのブラッシュアップを続けていました。

金銭的には辛い日々でしたが、仕事の手ごたえがダイリクトに感じたられたので、精神的にはとても充実した日々でした。

そうして、2013年10月末には、ベータ版をリリースしました。試験版のリリースから2年半もの間、こつこつと開発していました。とにかくコストをかけないように経営してきたので耐えられたと思います。

おかげさまで、リリースしてまだ2か月程度ですが、今までの仕事依頼総額は2億円以上になっています。

当社では不動産業界の実情に合ったサービス展開を大切にしてきましたが、消費増税が始まる来年からは、非課税の中古不動産の取引量は増加すると予測しています。中古不動産市場の拡大は不動産仲介会社を求めるニーズの増加へと直結するため、当社サービスの普及スピードも上げていきたいと思っています。

ネットで基本的なことはほぼ学べる。会計ソフトを活用すれば、経営状態を即座に把握できる。

開業時には、事業計画書と収支計画書を作成しました。開業計画NAVIなどのサイトをはじめ、自治体の創業支援などで事業計画の書き方などの基礎的な勉強には困らず、事業計画書や収支計画書の作成は簡単にできましたね。あとは、ファイナンス系では、「起業のファイナンス(磯崎哲也著)」という本は参考にしました。

開業計画NAVI もそうですが、「slide share」などで創業時の計画書を公開している経営者の方もいるので、そうした資料も参考にしました。これからネット系で起業する方は、絶対に確認した方がよいです。

会計ソフトは弥生会計を利用しています。会社設立と同時期に買いました。もっと安い会計ソフトなどは色々あったのですが、やはり一番売れているソフトで信頼感があったことが決め手でした。導入当初は大変だったような気がしますが、年月を重ねるに連れて業務が楽になっていくという感覚を持っています。日常の会計処理も自分でやってますし、初年度の決算などもすべて自分でやりました。

当面の目標は、年間不動産流通総額4兆円の1%、400億円の達成。

自分の直感を信じて思ったとおりにやることが一番だと思います。何かにチャレンジする際、自分の直感を信じるか、他人の助言を受け入れるかの二択があったとして、後者で失敗したときは絶対後悔すると思います。なので、迷ったら自分の直感を信じていくべき道を選んだほうが良いでしょう。

また、“情報をたくさん集めるのは当たり前だが、その情報に踊らされてはいけない”と思います。

起業しようかどうか迷っている人は、一生起業しないでしょう。直感的に考えてすぐ行動する人が成功するタイプだと思います。

あと、起業は20代のうちにしたほうが良いですね。若いと周囲の大人が自然と助けてくれますから。ある程度キャリアを積んでしまうと、プライドが邪魔して素直に助けてと言いづらいですよね。起業して事業を大きくしていくためには1人ではとても難しいです。誰かに助けてもらうことは、とても大切なことです。