同業種の経験がじゅうぶんにあれば自己資金がゼロでも融資を受けられますか?
QUESTION
アパレル会社を立ち上げたいと考えております。20年間、大手アパレルにて働いており、店舗運営からバイヤー業務などに従事してきました。
今回、日本政策金融公庫の新創業融資制度を使いたいと考えています。融資を受ける際には融資額の10分の1の自己資金が必要と知りました。
また、同時に同業種の経験がある場合、それが免除されるという内容を知ったのですが、これはどの程度のものなのでしょうか?仮に全く自己資金が無い場合でも融資が下りるのでしょうか?
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ANSWER 自己資金がほとんどない状態ですと、かなり難しいと思います。
アパレル業界での勤務経験が20年と長くていらっしゃるので、自己資金要件の免除となるケースに該当すると思います。 しかし、審査にパスできるかとどうかいう観点では、自己資金がほとんどない状態ですと、かなり難しいと思います。
日本政策金融公庫の創業融資を利用した人の自己資金の平均値をみると、だいたい25%くらいです。自己資金の割合は、融資額に対するものではなく、総投資額に対するものです。
たとえば飲食店を開業するために必要な資金が1,000万円だとすると、250万円くらいの自己資金を持っている人が審査にパスしているということです。せめて10%の100万円を準備しないと、審査の担当者が「融資OK」という稟議を書くことができないのが実態です。
もしご自身で貯めるのが難しい場合、たとえばご家族や親御さんから返済不要の資金を支援していただくなどの方法でカバーできる可能性が出てきます。
次に、金融機関が創業融資の審査をする際のチェックポイントについて解説します。
融資について、融資担当者がチェックするポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。
(1)財政状態
代表者本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。 当然、預金などの財産は多いほうが、負債は少ないほうがいいということになります。とくに財産については、同居家族名義も含めて積極的に情報開示することが、高評価につながります。
(2)経営者としての資質
これは、「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、「経歴書」に、「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ということが明確に分かるように記載することです。
(3)事業の見通し
これは、「事業計画書」で示すべきポイントです。予定しているビジネスの内容については、相手が中学生でも理解できるように、分かりやすく記載することがコツです。金融機関の担当者は、金融のプロですがビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどには詳しくないのが普通だからです。
難しいことを申して恐縮ですが、課題は自己資金だけですので、なんとかがんばってください。
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。
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