これだけ知っていれば融資で失敗しない! 飲食店開業で融資を受ける流れ

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2024/12/30 

飲食店を開業する夢に向かって、着々と準備を進めているなかにあっても、資金調達への不安を感じていませんか?

「融資って難しそう」

「どこからお金を借りればいいの?」

「どんな手続きが必要なの?」

そんな疑問や不安を抱えている方が多いのが実状です。

そこで、当記事では、飲食店開業に必要な融資の流れを分かりやすく解説します。金融機関の種類から、申請のタイミング、必要書類、よくある質問まで、網羅的にご紹介します。

当記事を読めば、融資に関する不安が解消され、自信を持って開業資金を調達できるようになるでしょう。夢の実現に向けて、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。

8万人が利用した事業計画書作成ツール
ブラウザ上の操作で事業計画を作成、創業計画書もエクセルでダウンロード可能

この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
プロフィールを見る>>

1.飲食店開業で融資を受ける流れとタイミング

まず、融資の流れの目安としては「申請から融資の可否がわかるまで約3週間~1か月、着金までは約1カ月半、契約を結んだら3~4営業日程度で入金」となります。

また、飲食業は立地が重要なため、物件を仮契約したくらいに融資申請するのがよいでしょう。許認可は、多くのケースで融資を受けた後の確認になります。

ただし、ケースバイケースで必要になる時期が異なりますので、事前に金融機関に確認したうえでスケジュールをたてれば、スムーズに手続き可能です。

これらの疑問や悩みは、多くの方が共通して抱えるものになりますので、当記事をとおして分かりやすく解説していきます。

2.まず融資を受ける金融機関を決める

飲食店の開業資金の融資を受けられる金融機関は、下記のように大きく分けて政府系金融機関、民間金融機関、そしてそのほかの資金調達に分類されます。それぞれに特徴があるので、ご自身の状況や条件に合わせて最適な金融機関を選びましょう。

・政府系金融機関
・信用保証協会保証付融資
・信用金庫
・信用組合
・地方自治体の制度融資
・ビジネスローン
・マイクロファイナンス機関
・融資以外の選択肢

1)政府系金融機関

政府系金融機関は、国が政策目標達成のために設立した金融機関で、飲食店の創業融資においては、日本政策金融公庫がもっとも一般的です。日本政策金融公庫は、新規開業など、実績のない創業時でも積極的に融資をしてくれるのが大きな特徴となります。「低金利、長期返済、無担保・無保証人」が可能といった点も魅力です。

政府系金融機関は厳密には、日本政策金融公庫のほかに、日本政策投資銀行・商工組合中央金庫・国際協力銀行・沖縄振興開発金融公庫の計5つが存在します。しかし、飲食店の創業融資という観点では、日本政策金融公庫がもっとも利用しやすく、おすすめです。

※沖縄県の場合は、日本政策金融公庫がないので、沖縄振興開発金融公庫がおすすめです。

参考:日本政策金融公庫での創業融資の申し込みの全てを融資の専門家が徹底解説

参考:元公庫職員が解説「創業融資」残念な勘違い7選

あなたの業種に合わせた事業計画書がつくれる!
  • 累計8万人が利用!質問に答えるだけで「事業計画書・数値計画書」が完成
  • 日本政策金融公庫の創業計画書も作成でき、融資申請に利用できる
  • 12業種・4188社の経営者と比較し、あなたの事業計画の安全率を判定

2)信用保証協会保証付融資

信用保証協会保証付融資とは、信用保証協会が保証をおこなうことで、金融機関からの融資を受けやすくする制度です。金融機関が独自におこなうプロパー融資と比較して、審査基準が緩和される傾向にあります。

飲食店の創業融資では、実績や担保に乏しいケースが多いため、プロパー融資を受けることは非常に難しいのが現状です。そのため、信用保証協会保証付融資を利用することが一般的です。

参考:創業融資における信用保証協会の役割とは?|資金調達のプロが公庫と徹底比較

3)信用金庫・信用組合

信用金庫・信用組合は、地域に密着した金融機関です。地域経済の活性化を目的としており、地域の中小企業や個人事業主への融資に力を入れています。地域密着型のビジネスである飲食店とは、相性がよいといえます。

また、創業融資に積極的な金融機関も多く、なかには日本政策金融公庫よりも有利な条件で融資を受けられる場合があります。地元の信用金庫・信用組合の融資制度を調べてみる価値は十分にあるでしょう。

参考:元・信用金庫の営業マンが明かす、信用金庫の融資審査の裏側とは?

4)地方自治体の制度融資

制度融資とは、中小企業や個人事業主が事業に必要な資金を調達できるよう、「都道府県や市区町村などの自治体、金融機関、信用保証協会」が連携して提供する融資制度です。

融資条件や内容は都道府県、市区町村によって異なるため、各自治体のホームページや窓口で確認する必要があります。

5)ビジネスローン

銀行やノンバンクが提供するビジネスローンも、資金調達の選択肢のひとつです。ただし、金利が高い、審査がきびしいなどのデメリットも存在します。ほかの選択肢と比較検討し、リスクをしっかり把握したうえで利用する必要があります。

6)マイクロファイナンス機関

マイクロファイナンス機関は、少額の融資を専門とする機関です。一般的な金融機関では融資を受けにくい方でも利用できる可能性がありますが、金利や返済期間などの条件をよく確認することが重要です。

7)融資以外の選択肢

融資以外にも、資金調達方法はいくつか存在します。

補助金・助成金 国や地方自治体が提供する補助金・助成金制度は、返済不要な資金調達方法として魅力的です。
クラウドファンディング インターネットをつうじて不特定多数の人から資金を調達する方法です。
エクイティファイナンス 株式を発行することで資金を調達する方法です。

参考:飲食店が使える5つの補助金と3つの助成金
概要と活用例を紹介

あなたの業種に合わせた事業計画書がつくれる!
  • 累計8万人が利用!質問に答えるだけで「事業計画書・数値計画書」が完成
  • 日本政策金融公庫の創業計画書も作成でき、融資申請に利用できる
  • 12業種・4188社の経営者と比較し、あなたの事業計画の安全率を判定

3.飲食店が銀行融資を受ける際の大まかな流れ

融資を受ける金融機関を決めたら、次はじっさいに融資を申し込む段階です。金融機関によって多少の違いはありますが、一般的な融資の流れを把握しておけば、スムーズに手続きを進めることができます。

1)電話や窓口で融資の相談をする

まずは、希望する金融機関に電話や窓口で融資の相談をしましょう。融資制度の内容、必要書類、審査基準など、不明な点を解消しておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。

ただし、金融機関のホームページなどで融資に関する情報が十分に得られる場合は、直接問い合わせなくても構いません。時間を有効に活用するためにも、事前に情報収集をしておくことが重要です。

2)必要な書類の準備をする

金融機関から指示されたものを準備しますが、主な必要書類としては「事業計画書、確定申告書(過去3期分)、印鑑証明書、住民票」などがあります。これらの書類は、金融機関が融資の可否を判断するうえで重要な資料となります。正確かつ丁寧に作成し、不備がないように注意しましょう。

状況に応じて多数の書類が必要になりますので、くわしくは「これひとつで完全網羅!飲食店の融資に必要な書類チェックリスト」をご参照ください。

3)融資を申し込む

近年は、インターネットで融資を申し込める金融機関が増えています。必要事項を入力し、必要書類をアップロードすることで、かんたんに手続きを進めることができます。もちろん、従来どおり窓口で申し込むことも可能です。

4)担当者と面談する

融資を申し込むと、金融機関の担当者から電話連絡があり、日程調整がおこなわれますが、申請から1〜2週間で面談になることが一般的です。面談では、事業計画の内容や資金使途、返済計画などを説明します。熱意と誠意をもって、事業への想いを伝えましょう。

また、希望金額より少ない額でも、融資を受けたい旨を伝えておくことも重要です。創業融資は起業時しか受けられないケースが多く、一度取引実績を作っておけば、今後の資金調達が円滑になる可能性が高まります。

参考:創業融資の面談を成功させる準備とは?よくある8つの質問と回答例

5)融資の可否が決定される

面談後、金融機関は審査をおこない、融資の可否を決定します。審査期間は通常1〜2週間程度です。審査の結果、融資が承認されれば、金利や返済期間などの条件が提示されます。

6)返済を開始する

融資が実行されたら、計画に基づいて返済を開始します。返済開始時期は、融資の入金後1〜2カ月後ぐらいが目途となっています。返済日をきちんと守り、延滞がないように注意しましょう。元金の据置を希望して認められると、据置期間中は利息のみの返済になります。

7)次の融資の準備をする

融資は一度受けて終わりではありません。事業を継続していくためには、常に次の融資を意識しておく必要があります。

次の融資を受けるためには、良好な経営状態を維持し、返済を滞りなくおこなうことが重要です。一般的に、次の融資を受けるまでには最低でも6カ月程度空ける必要があります。

また、創業融資以外では、安定した売上実績がなければ融資を受けることは難しいでしょう。日ごろから資金繰り計画を立て、健全な経営を心がけることが、次の融資への道を開きます。

あなたの業種に合わせた事業計画書がつくれる!
  • 累計8万人が利用!質問に答えるだけで「事業計画書・数値計画書」が完成
  • 日本政策金融公庫の創業計画書も作成でき、融資申請に利用できる
  • 12業種・4188社の経営者と比較し、あなたの事業計画の安全率を判定

4.飲食店の融資の流れに関するQ&A

飲食店開業に向けた融資を受ける際、さまざまな疑問や不安が生じるのは当然です。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。疑問点を解消し、安心して融資手続きを進めましょう。

Q1)融資申請のタイミングは?

融資申請は、予定物件を決めててからおこなう必要があります。飲食店は立地が売上に大きく影響するため、金融機関が融資の可否を判断するうえで重要な要素となります。物件を決めた段階で融資を申し込むことで、事業計画の具体性が増し、金融機関からの信頼を得やすくなるでしょう。

ただし、賃貸契約を締結してしまうと、費用が発生する可能性があるので、注意が必要です。物件の賃貸契約を結ぶ前に、金融機関に相談し、融資の見通しを立てることが大切です。

Q2)融資申請時に許認可などは必要?

大半のケースで融資実行前に許認可を取得する必要はなく、融資を受けた後、速やかに手続きをおこない、金融機関に確認してもらう流れとなります。

飲食店を開業する際には、業務形態によりますが、飲食店営業許可や深夜酒類提供飲食店営業開始届など、許認可等が必要になります。金融機関により、確認が必要なタイミングが異なるケースもありますので、事前に確認しておくと安心です。

参考:日本政策金融公庫「居酒屋の創業ポイント」

Q3)融資申請から着金までの期間は?

融資申請から着金までの期間は、金融機関や審査状況によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

・申請から融資の可否がわかるまで:3週間程度
・申請から着金まで:1カ月半程度
・契約が完了すれば3~4営業日程度で入金されるケースが多い

ただし、年末年始やゴールデンウィークなどの時期は、金融機関の休業日も考慮する必要があります。余裕を持って手続きを進め、開業資金が不足しないように計画しましょう。

Q4)融資の返済開始時期は?

融資の返済開始時期は、金融機関によって異なりますが、着金から1〜2カ月後が一般的です。事業が軌道に乗ってから返済を開始したい場合は、申込み時と面談時にその旨を金融機関に伝えて相談してみましょう。返済開始時期を遅らせることができる場合や、返済額を調整できる場合があります。

Q5)融資の返済期間は?

融資の返済期間は融資制度や借入れ金額によって異なりますが、日本政策金融公庫の新規開業資金では、運転資金の場合は10年以内、設備資金の場合は20年以内となっています。

また、返済に猶予期間を設ける「返済据置制度」を利用できる場合があります。返済据置制度とは、一定期間、元金の返済を猶予する制度です。創業初期の負担を軽減し、事業の安定化を図るために有効な手段となります。

参考:「運転資金」「設備資金」って何?

5.事業計画書の作成なら「DREAM GATE」

当記事では、飲食店開業に向けた融資の流れについてくわしく解説しました。融資を受けるためには、綿密な事業計画書の作成が不可欠です。

DREAM GATE」の事業計画書作成ツールを使えば、飲食店を含む11業種に対応した事業計画書をブラウザ操作だけでかんたんに作成できます。
シンプルな質問に答えていくだけで、プロが作成したような事業計画書が完成しますので、はじめての方でも安心して利用できるでしょう。
作成した事業計画書は、Excelファイルなどでダウンロードできるので、必要に応じて修正することも可能です。無料で利用できるので、ぜひ一度試してみてください。

あなたの業種に合わせた事業計画書がつくれる!
  • 累計8万人が利用!質問に答えるだけで「事業計画書・数値計画書」が完成
  • 日本政策金融公庫の創業計画書も作成でき、融資申請に利用できる
  • 12業種・4188社の経営者と比較し、あなたの事業計画の安全率を判定
これらの機能がすべて無料で利用できます!

この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
プロフィールを見る>>