ビジネスプランの書き方と項目ごとのアピールポイント

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2024/08/01 

ビジネスプランとは、事業を成功させるために必要な計画や戦略を詳細に記載した資料です。
これにより、社内外の関係者に事業内容をわかりやすく説明し、理解と協力を得ることができます。

本記事では、ビジネスプランの基本的な書き方を、項目ごとのポイントとともにくわしく解説します。
初心者にも分かりやすいよう、ビジネスプラン作成の具体的な方法も説明しているため、ぜひ参考としてください。

効果的なビジネスプランを作成するための具体的なステップを学び、ビジネスアイデアの実現に向けて一歩を踏み出しましょう。

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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1. ビジネスプランとは

ビジネスプランとは、事業を成功させるために必要な計画や戦略を詳細に記載した資料です。
これにより、社内外の関係者に事業内容をわかりやすく説明し、理解と協力を得ることができます。ビジネスプランは以下のような場面で活用できます。

事業計画書として 長期的な目標と戦略を示す資料
株主総会資料として 株主に対して事業の進捗や計画を報告する資料
資金調達時の説明資料として 投資家や金融機関に対して資金を引き出すための資料
社内の意思統一のための資料として 社員全員が同じ目標に向かって働けるようにするための資料

事業計画書との違い

ビジネスプランと事業計画書は似ていますが、目的や内容に違いがあります。

ビジネスプランは、社内外の関係者に事業内容を説明することを目的としており、必要がなければ資金計画や収支計画などの数値は詳細でなくても問題ありません。

一方で、事業計画書は事業を実現させるための具体的な計画であり、事業内容や目標に加えて必要な資金や売上、収益見込みなどを詳細な金額として記載します。
これにより、事業計画書はより具体的かつ実行可能なプランとなります。

融資を受ける際に事業計画書は必須となり、審査結果を左右する重要な書類となります。しかし、はじめて作成する際には、非常に手間と時間がかかります。

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2. ビジネスプランの立て方

ビジネスプランの作成は、事業の成功に不可欠なプロセスです。以下の5つの手順を踏むことで、効果的で実行可能なビジネスプランの作成が可能となります。それぞれの手順についてくわしく説明します。

1)市場分析をする

市場分析は、ビジネスプランの基礎を築く重要なステップです。このプロセスでは、自社のビジネスがどのように市場にフィットするかを明確にします。

具体的には、市場の規模、成長率、主要なトレンド、消費者のニーズなどを調査し、データを収集します。この情報をもとに、市場における機会や潜在的なリスクを評価します。

特定の市場セグメントが急速に成長している場合、それは新しいビジネスチャンスを示唆しているかもしれません。一方で、市場が飽和状態にある場合は、競争が激化する可能性もあるため、別のアプローチが必要となるでしょう。市場分析をしっかりとおこなうことで、事業の戦略や方向性が明確となり、より効果的なビジネスプラン作成につながります。

2)競合分析をする

競合分析は、自社の強みと弱みを把握し、競争優位を築くための重要なステップです。このプロセスでは、主要な競合他社の戦略、製品やサービス、価格設定、マーケティング手法などを徹底的に調査します。競合他社の成功要因や失敗例を学ぶことで、自社がどのように差別化できるかを明確にします。

競合他社が提供していない独自の機能やサービスを提供することで、自社の市場でのポジションを強化できます。また、競合他社の弱点を突くことで、より効果的なマーケティング戦略の展開が可能です。競合分析を通じて得られた情報をもとに、自社の競争力を最大化し、市場での成功を目指します。

3)SWOT分析を使う

SWOT分析は、自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を総合的に評価するためのフレームワークです。

まず、自社の強みを洗い出し、どのように競争優位を築くかを考えます。強みには、独自の技術や優れた顧客サービス、強力なブランドなどが含まれます。

次に、弱みを特定し、それを克服するための戦略を立てます。弱みには、資金不足や経験の欠如、競争力の低さなどが挙げられます。

続いて、外部環境からの機会を見つけ出し、それを活用する方法を検討します。市場の新しいトレンドや技術の進歩、新規顧客層の出現などが機会として挙げられます。

最後に、脅威を特定し、対策を講じることが必要です。脅威には、競争の激化、規制の変更、経済の不確実性などが含まれます。SWOT分析をおこなうことで、自社の内部環境と外部環境の総合的な理解につながり、戦略的な意思決定が可能となります。

参考)今さら聞けない、SWOT分析とは?やり方とコツを解説【図解・例あり】
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4)商品やサービス内容を明確化する

商品やサービス内容の明確化は、ビジネスプランの核心となる部分です。このステップでは、自社の提供する商品やサービスがどのような価値を持ち、どのように顧客のニーズを満たすかを詳細に説明します。

具体的には、商品やサービスの特徴、利点、使用方法、ターゲット顧客層などを明確にします。また、他社との差別化ポイントを強調し、自社の商品やサービスの独自性をアピールします。

自社の商品が環境に配慮した素材で作られている場合、それはエコロジー意識の高い顧客に対する強力なセールスポイントとなります。

さらに、商品やサービスの開発プロセスや品質管理の方法なども記載することで、信頼性と品質の高さを強調します。商品やサービス内容の明確化によって、投資家やパートナーに対して自社のビジネスモデルの魅力を効果的に伝えられます。

5)販売戦略を決定する

販売戦略は、商品やサービスをどのように市場に投入し、販売するかを計画する重要なステップです。このプロセスでは、ターゲット市場を明確にし、適切な販売チャネルを選定します。

オンライン販売を中心に展開する場合は、ECサイトの構築やデジタルマーケティング戦略を重視します。一方、実店舗での販売を重視する場合は、店舗の立地やスタッフの教育、在庫管理などを計画します。

また、価格設定やプロモーション戦略も重要な要素です。価格設定では、コスト構造や競合他社の価格を参考にしながら、適切な価格帯を設定します。プロモーション戦略では、広告や販促活動を通じてターゲット顧客にリーチし、商品の認知度を高めます。

SNS広告やインフルエンサーマーケティングの活用によって、特定のターゲット層に効果的にアプローチすることができます。しっかりとした販売戦略は、ビジネスの成功確率を高めることにつながります。

3. ビジネスプランに必要な7つの項目

ビジネスプランを効果的に作成するためには、以下の必要項目をしっかりと盛りこむことが重要です。それぞれの項目が事業の成功にどう寄与するかを理解し、具体的な内容を記載することで、信頼性の高いビジネスプランを構築できます。

1)事業概要

事業概要は、ビジネスプランの核となる部分であり、事業の全体像を明確に伝えるための重要なセクションです。まず、事業内容を簡潔に説明し、提供する商品やサービスの概要を示します。

次に、課題を具体的に明記し、その課題に対する解決方法を提示します。新しいテクノロジーを用いたサービスを提供する場合、その技術がどのように顧客の問題を解決するのかも記載します。

また、事業のターゲット市場・競合分析もおこないます。ターゲット市場については、その市場の特性や規模・成長性などを説明し、自社がどのようにしてその市場に参入し成功を収めるかを示します。

競合分析では、主要な競合他社の強みや弱み、自社との比較を行い、競争優位性を強調します。これにより、投資家やステークホルダーに対して事業の全体像とそのポテンシャルを効果的に伝えることができます。

2)商品やサービスの詳細

商品やサービスの詳細では、自社が提供する商品やサービスの特徴を具体的に説明します。

まず、自社の強みを活かした部分を強調します。他社にはない独自の技術やサービスの特長を詳細に記載しておけば、顧客に対して自社が提供する価値を明確に伝えることができます。

一方で、自社の弱みについても正直に記載し、その弱みを克服するための対策を示します。

製品開発の初期段階での課題や市場への導入時の課題などをあげ、それらに対する具体的な改善策や対策を説明します。これにより、投資家やパートナーに対して自社の課題解決能力を示し、信頼を築くことができます。

3)顧客情報・ターゲット

顧客情報とターゲット市場のセクションでは、ビジネスの成功に欠かせない市場分析の結果をもとに、自社のターゲット顧客を明確にします。

まず、ターゲット顧客の特性を詳細に記載します。たとえば、年齢層、性別、地域、購買行動などのデモグラフィック情報が含まれます。

また、市場における自社のポジションも確認し、競合他社と比較した際の自社の強みや差別化ポイントを明示します。これにより、ターゲット市場での競争優位性をアピールし、自社のビジネスモデルの有効性を示すことができます。

4)取引先

仕入先や外注先など、事業に不可欠な取引先を提示することで、自社のビジネスモデルの実現可能性を高めます。まず、主要な取引先をリストアップし、それぞれの取引先がどのような役割を果たすのかを説明します。

主要なサプライヤーが提供する原材料の品質や価格競争力、外注先の生産能力や技術力などを記載します。これにより、ビジネスの安定した供給体制を示すことができます。また、取引先との契約内容や取引条件も記載し、ビジネス関係の信頼性を高めましょう。

5)社内体制

事業を運営するための組織構造を説明します。各部門の役割や責任範囲を明確にし、どのようにして事業の目標を達成するのかを示します。

たとえば、営業部門、マーケティング部門、製造部門、顧客サポート部門などの役割分担を詳細に記載します。

また、各部門の主要な担当者やチームメンバーの経歴やスキルセットも紹介し、事業を支える人材の質をアピールします。これにより、社内体制の強化と事業遂行能力を示すことができます。

さらに、スタッフの教育やトレーニングプログラム、モチベーション向上のための施策などについても触れることで、社員の成長と企業の発展を支える取り組みが示せます。

6)フェーズごとの事業展開

事業立ち上げから軌道に乗るまでの各フェーズを明確に定義し、それぞれのフェーズにおける具体的な戦略を説明します。たとえば、広告戦略や販売場所やターゲット、生産体制や必要な人員など、事業立ち上げから軌道に乗って安定するまでのフェーズに応じた具体的な戦略を立てることが重要です。

7)収支見込

事業計画や外部のステークホルダー向けに、状況に応じて必要資金や売上、収益見込みなどを詳細な金額で記載します。金融機関や投資家から融資を受ける場合には、具体的に記載する必要があります。

まず、初期投資額や運転資金・設備投資などの必要資金を明確にし、次に売上予測を立て収益見込みを示します。年間売上高や月次の売上目標、利益率なども具体的に記載します。

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4. ビジネスプラン活用のためのポイント

ビジネスプランを効果的に活用するためには、以下のポイントに注意することが重要です。

1)事業の魅力を最大限にアピールする

ビジネスプランを効果的に活用するためには、その内容を充実させるだけでなく、関係者に対して事業の魅力を最大限にアピールすることが重要です。

具体的には、市場の成長予測や事業の収益性、発展性を強調し、市場規模や将来性を明確に示すことが求められます。そのためには、ターゲット市場の成長予測や消費者ニーズの変化、競合他社に対する自社の優位性をデータを用いて示すことが必要です。データの提示によって、投資家やパートナーに対して自信を持って事業の魅力を伝えることができます。

2)商品・サービス・経営陣の魅力を伝える

他社やほかのサービスとの差別化ポイントを明確にし、自社が提供する価値を強調します。独自の技術やサービスの特長を具体的に説明し、顧客にとっての利便性やメリットを詳細に記載します。

さらに、経営陣の魅力をアピールすることも忘れてはなりません。経営陣のスキルや経験、過去の実績などを紹介し、事業の発展を担える人材がそろっていることを示しましょう。投資家やステークホルダーに対して信頼感を与えることができます。

3)ブラッシュアップをはかる

事業の魅力をアピールするだけでなく、常にビジネスプランのブラッシュアップを図ることが重要です。事業開始後は、顧客やパートナーからのフィードバックを積極的に収集し、課題をピックアップします。その後、対策を検討・実施し、効果を検証します。

たとえば、顧客満足度調査や市場調査を定期的におこない、広告戦略や販売戦略の見直しをおこないます。これにより、現状を正確に把握し、適切な対策を講じることが可能となるため、事業の成功確率が高まります。

また、競合分析を定期的におこなうことも重要です。競合他社の動向や市場の変化に敏感に対応し、自社の戦略を柔軟に見直すことで、常に競争優位性が保てます。

5. ビジネスプランから事業計画に落とし込むには

ビジネスプランをもとに具体的な事業計画を立てる際には、以下のポイントに注意します。

1)自分がこのビジネスを行える根拠を説明

資金の準備状態を詳細に示し、負債も含めた財務状況を正確に把握します。これに加えて、代表者の経歴や強みを具体的に記載し、自身がこのビジネスを成功に導ける理由を明示します。過去の業績や成功事例、専門知識や業界での経験などをアピールし、投資家やパートナーに対して信頼感を与えることが重要です。

2)収支計画を細かく立てる

事業の実現には資金調達が欠かせません。資金調達方法や収支計画の実現可能性を明確に示すことは、計画の信頼性を高めます。必要な資金をどのように調達するのか、具体的な方法を詳細に記載します。

また、向こう数年間の収支計画を立て、売上予測や費用計画を詳細に示します。これにより、事業の持続可能性を具体的に伝えることができます。

さらに、収益が予測を下回った場合のリスク補填方法を明示することも重要です。ビジネスには予期せぬリスクの発生も多いため、リスクマネジメントの計画を立てておくことで、投資家やパートナーに対する信頼を獲得できます。予備資金の確保やコスト削減の方法、事業の再構築の手順などを具体的に記載し、リスクへの備えを示します。

6. ツールを活用して事業計画を立てよう

これまで解説したとおり、ビジネスプランの作成は手間暇がかかります。なかでも、資金計画・収支計画が必要な事業計画作成は、とくに大変です。

効率的に事業計画書などを作成するためには、適切なツールを活用することがおすすめです。たとえば、ドリームゲートの「事業計画書作成サポートツール」は、事業計画を効率的に作成するための強力なサポートを提供します。これにより、計画作成の負担を軽減し、より質の高いビジネスプランを作成できます。

事業計画書の作成は、事業成功の鍵を握る重要なステップです。本記事で紹介した手順とポイントを参考に、効果的なビジネスプランを作成し、あなたのビジネスアイデア実現に向けた第一歩を踏み出しましょう。

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上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
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