収支計画書は個人事業主に必要か?【テンプレあり】

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2024/06/26 

個人事業主として起業する際には、事業計画書を作成することが推奨されますが、ビジネスを成功させるには、事業計画書の中で収支計画書の作成が重要です。

収支計画書の作成は、事業の資金繰りを正確に把握し、将来の経営戦略を立てるうえで重要な役割を果たします。また、資金調達や税務対策においても、具体的な収支計画が求められることが多いため、収支計画書をしっかりつくることは信頼性の向上にも役立ちます。

そこで本記事では、収支計画書を作成するメリットや計算方法、注意点などをくわしく解説するとともに、すぐに利用できるダウンロードできるテンプレートも紹介します。収支計画書について理解を深めれば、事業を安全に進めるための第一歩を踏み出せるでしょう。

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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1.収支計画書は個人事業主にも必要か?

個人事業主にとって、収支計画書の作成は事業成功のカギをにぎる重要なステップです。収支計画書とは、事業の収入と支出を時系列で予測し計画する文書で、損益計画書とは異なり、日常のキャッシュフローをくわしく把握するためのツールです。

損益計画書は一定期間の損益予測を示す資料であるのに対して、収支計画書は資金の出入りや現預金の残高を予測するものです。

たとえばBtoBのビジネスの場合、売上の回収が「月末締め翌月末回収」といった取引条件の場合、損益計画では黒字でも収支計画上の収益がマイナスの予測になることがあります。

収支計画書の目的は、事業の収入と支出の流れを明確にすることです。たとえば、どの時期に収入が増えるのか、または支出が増えるのかを予測することで、資金繰りに関する問題の発生を事前に防げます。これは、企業だけでなく個人事業主にとっても非常に重要となります。なぜなら、事業の規模に関係なく、キャッシュフローの管理は事業継続の基本だからです。

融資を受ける際にも、収支計画書は有効な書類となります。金融機関は、融資先の返済能力を判断するために詳細な収支計画を求めることが一般的です。収支計画書をしっかりと作成することで、事業の信頼性を高め、融資審査をスムーズに進めることができます。

さらに、融資を受けない場合でも、収支計画書は安全な経営を支えるために欠かせない存在です。具体的には、固定費や変動費の予測、売上高の見積もりをすることで、事業の収益性や持続可能性を判断する材料となります。これにより、無駄な支出をおさえ、必要な投資を適切におこなうことができるでしょう。

2.収支計画書作成のメリット

収支計画書の作成は、事業の規模を問わず多くのメリットをもたらします。本項では、その主なメリットを3つ挙げてくわしく解説します。

1)事業ビジョンが明確になる

まず、収支計画書を作成することにより、事業のビジョンが明確になります。収支計画書の作成により、事業が軌道に乗るまでのプロセスや繁忙期、閑散期などのフェーズごとの収支を見える化できます。このことによって、事業の成長過程を具体的な数字で把握でき、より現実的な計画を立てることができるでしょう。

たとえば、どの時期に売上が増加し、どの時期に支出が増えるかを予測することで、緻密な資金繰り計画の立案ができます。これにより、経営者は長期的な視点で事業を展望し、必要な施策を適切なタイミングで実施できるようになります。具体的な目標設定と達成に向けた計画を持つことで、経営のブレが少なくなり、より戦略的な経営ができるのです。

2)資金対策ができる

次に、収支計画書は資金対策を効率的におこなうための強力なツールとなります。収支計画書の作成により、毎月の固定費や変動費・売上高などを予測することで、事業運営に必要な資金の流れを把握できます。月々の支出を正確に見積もり、最低限必要な利益を算出できるようになります。

たとえば、固定費として人件費や家賃、変動費として原材料費や広告費を計算に入れることで、資金の出入りを詳細に予測できます。このように資金繰りを明確にすることで、経営者は適切なタイミングにおける資金対策ができるのです。

さらに、収支計画書は金融機関への融資申請時にも重要な役割を果たします。具体的な数字で裏付けられた収支計画書は、金融機関に対する事業の信頼性を高め、融資審査をスムーズに進める助けとなります。これにより、必要な資金を迅速に確保し、事業運営を円滑に進めめられます。

3)商品やサービスの価値がわかる

最後に、収支計画書の作成によって、自社の商品やサービスの価値を明確に把握できます。支出の詳細な記録や分析によって、必要な売上高が明らかになり、適切な価格設定や販売目標を設定できます。

たとえば、商品の製造コストや販売経費を正確に計算することで、適正な価格を設定し、どれだけの数量を販売すれば利益が確保できるかを予測できます。これにより、商品やサービスの価格が市場価格と乖離しないように調整でき、高すぎる価格設定で顧客を失ったり、低すぎる価格設定で利益を圧迫したりするリスクを回避できます。

さらに、収支計画を基にした価格設定は、競争力のある価格を維持しながらも、事業の収益性を高めるための指針となります。これにより、商品やサービスの価値を最大限に引き出し、事業の成長を促進できます。

収支計画書の作成は、個人事業主にとっても大企業にとっても、事業の成功に向けた不可欠なステップです。事業ビジョンの明確化、資金対策の効率化、そして商品やサービス価値の明確化といった多くのメリットを享受することで、経営の安定性と持続可能性を高められます。

3.収支計画書のサンプルの見方と計算方法

収支計画書の作成において、具体的な数字をどのように算出するかは非常に重要です。以下で、具体的な計算方法などについてくわしく説明します。

参考:日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(月別収支計画書記入例)」

1)売上高の算出方法

売上高の算出は、事業の収益性を判断するための基本となります。以下のステップにしたがって算出しましょう。

①同業他社の平均的な原価率や粗利益率を調べる

原価率は、売上原価を売上高で割った値で計算します。

粗利益率は、売上高から原価を引いた値を売上高で割った数値です。

このふたつの合計は100%になります。

原価率=売上原価÷売上高
粗利益率=(売上高-原価)÷売上高
原価率+粗利益率=100%

②固定費を計算する

固定費には、人件費、家賃、支払利息などが含まれます。これらの経費項目を洗い出し、月々の固定費を計算します。

③借入金と利息を計算する

融資額や返済期間、利率を予測し、毎月の返済額と利息額を算出します。

④必要売上高を計算する

事業継続に最低限必要となる売上高を予測し、利益が出る売上高を計算します。

たとえば、固定費が60万円、返済・利息が10万円、粗利益率が60%の場合、必要な売上高は次のように算出されます。

必要売上高=(60万+10万)÷60% → 約116万円

2)経費に当てはまるもの

経費(そのほか)に該当する費用は、業種によって異なりますが、一般的には以下のような項目が含まれます。

  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 交通費
  • 消耗品費
  • 交際費
  • 広告宣伝費
  • 保険料
  • 外注費
  • 運賃
  • 荷造費など

これらを洗い出し、事業に必要な経費として計上します。

3)収支計画書ダウンロード

収支計画書はさまざまなテンプレートがありますが、ドリームゲートの「事業計画書作成ツール」を活用すれば、売上見込みや経費などのデータを入力するだけで、自動的に収支計画書を作成できます。

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4.収支計画書のつくり方

収支計画書を作成するためには、より現実的な数字に基づいた計画を立てることが重要です。そのためには、事業プランや目的といった事業ビジョンを明確にすることが不可欠です。本項では、その考え方のひとつとして「6W2H」を紹介します。

参考:ドリームゲート「個人事業主が事業計画書を作成すべき理由は?書き方や記入例などを解説!」

1)事業プラン構築に必要な6W2H

「6W2H」とは、事業プランを構築する際に考慮すべきポイントを整理するためのフレームワークです。具体的には、以下の要素を含みます。

現実的な数字に基づいた収支計画書を作成することで、事業の方向性を明確にし、経営の安定性を確保できます。ぜひ、6W2Hのフレームワークとツールを活用して、効果的な収支計画書を作成しましょう。

Who
(誰が)
誰が事業をおこなうのか。事業を進めるうえで、どのような人材がどの程度必要となるのかを明確にします。
What
(何を)
提供する商品やサービスの内容。具体的な商品やサービスの特徴を明確にすることで、価値提案が強化されます。
Why
(なぜ)
なぜその商品やサービスを提供するのか。事業の目的や背景を明確にすることで、ビジョンが共有されます。
When
(いつ)
提供するタイミングや期間。繁忙期や閑散期を考慮した計画を立てることで、収益予測がより現実的になります。
Where
(どこで)
提供する場所や市場。地域や市場の特性を考慮することで、戦略が具体化されます。
Whom
(誰に)
誰に商品やサービスを提供するのか。たとえば、教育事業をおこないたいのであれば、子どもの親や学生、社会人などがターゲットとして候補となるでしょう。
How to
(どうやって)
どのように提供するか。販売方法やプロモーション戦略を明確にすることで、実行計画が立てやすくなります。
How much
(いくらで)
価格設定。コストや市場価格を考慮した価格設定をおこなうことで、収益性が確保されます。

2)ツール利用でかんたんに作成する

収支計画書の作成をかんたんにするために、各種ツールを利用することも有効です。たとえば、ドリームゲートの「事業計画書作成ツール」を活用すれば、売上見込みや経費などのデータを入力するだけで、自動的に収支計画書を作成できます。

はじめて収支計画書を作成する方でもかんたんに扱うことができ、時間と労力を大幅に節約できます。また、これらのツールでは、オリジナルの収支計画書を無料でダウンロードでき、日本政策金融公庫の創業計画書も作成できます。融資申請にもそのまま利用できるため、金融機関への提出書類を作成する際にも非常に便利です。

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5.収支計画書作成時の注意点

収支計画書を作成する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。これらのポイントをおさえておけば、より精度の高い計画書の作成ができ、事業の安定と成長を支えることができます。

1)固定費の見直し

事業開始後に固定費を削減することは容易ではありません。そのため、事業開始前に削れる項目がないかをしっかりとチェックしておく必要があります。

具体的には、オフィスの賃料や人件費などが削減項目に挙げられます。たとえば、高額なオフィス賃料をおさえるために、立地を見直したり、共有オフィスを利用したりすることも検討できます。また、初期の人件費をおさえるために、パートタイムやフリーランスを活用することもひとつの方法です。このように、固定費を最小限におさえることで、事業の収益性を高めることができます。

2)粗利益率の確認

次に、粗利益率(売上高総利益率)の確認が重要です。粗利益率とは、売上高に対する粗利の割合を示すもので、事業の収益性を示す指標となります。

粗利益率の設定を再確認することで、事業が安定して運営できるかどうかを判断できます。粗利益率が高ければ、少ない売上高でも固定費を賄うことができるため、事業の安定性が向上します。

同業他社の平均的な粗利益率を参考にしながら、自社の価格設定やコスト構造を見直すことで、より現実的な計画の立案ができます。商品の価格設定や仕入れコストの見直しをおこない、粗利益率を適切に維持することが重要です。

3)月ごとの把握

最後に、収支計画は月ごとの把握が欠かせません。どのような業種でも、繁忙期や閑散期が存在するため、それを理解したうえで月ごとの収支計画を立てることが重要です。

たとえば、季節によって売上が大きく変動する業種では、繁忙期の売上を見越して閑散期の資金繰りを計画する必要があります。また、月ごとの計画だけでなく、年間の収支を把握し、少なくとも3年先までの計画を立てておくことが推奨されます。これにより、長期的な視点で事業運営が可能となり、突発的な経営リスクにも対応しやすくなります。

収支計画書を作成する際には、これらの注意点をしっかりとおさえることで、より現実的で信頼性の高い計画の立案ができます。固定費の見直し、粗利益率の確認、そして月ごとの収支把握を徹底することで、事業の安定と成長を確実なものにしましょう。

6.ツールを使って収支計画書を作成してみよう

収支計画書の作成は、個人事業主にとって重要なステップです。しかし、その作成プロセスは煩雑で時間がかかることが多くなっています。そこで、効率的に収支計画書を作成するために、便利なツールの活用をおすすめします。

ドリームゲートが提供する「事業計画書作成ツール」を使用すれば、ブラウザ上で数値を入力するだけで、収支計画書を自動的に作成できます。

このツールの利点は、はじめて収支計画書を作成する方でも扱いやすい点です。必要な情報を入力するだけで、自動的に計算がおこなわれ、成功した先輩経営者のデータを参考にした収支計画書が完成します。

また、エクセル形式でダウンロードできるため、編集やカスタマイズもかんたんにおこなえます。金融機関への提出にも対応しており、融資申請の際にもそのまま使用できます。

しかも、創業融資で使用する「創業計画書」も同時に作成できます。このように、事業計画書作成ツールを活用することで、収支計画書作成のプロセスが大幅に簡素化されます。そのため、はじめての方でも安心して利用でき、効率的に質の高い計画書を作成できます。

ぜひ、このツールを活用して、事業の安定と成長に役立ててください。次のステップへの準備がスムーズに進むでしょう。

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
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