日本政策金融公庫の創業計画書【経営者の略歴等】の書き方と記入例

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2023/12/04 

日本政策金融公庫の創業計画書に書く「経営者の略歴等」欄は、起業家が融資を受ける際にもっとも重要な情報のひとつです。この欄では、経営者の信頼性と能力を示すことが求められます。しかし、何を書けばよいのか悩む方も多いかもしれません。

当記事では、日本政策金融公庫の創業計画書における「経営者の略歴等」の書き方と記入例についてくわしく解説します。具体的なポイントや注意すべき事項を紹介しますので、経歴・略歴を最大限にアピールする方法を考えていきましょう。

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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創業計画書「経営者の略歴等」に書くべきこと

参考:日本政策金融公庫「創業計画書」

経営者の略歴欄は、単なる時系列での職歴だけでなく、じっさいにどのような経験やスキルを身につけたのかを具体的に書くことが重要です。たとえアルバイトであっても、そこで得た経験やスキルは事業を遂行するうえで貴重なものとなります。とくに、新たに行う事業に役立つ経験やスキルにかかわる経歴は、必ず詳細を記載しましょう。

具体的には、業界経験や実務経験、習得したスキルや知識、マネジメントやリーダー経験などが重要なポイントとなります。これから創業予定のビジネスに関連する知識や経験がどれだけあるかを、融資担当者は知りたがっています。

審査においては、過去の同業または類似事業での経験がとくに重視されます。また、会社員時代に起業準備となるような経験をしてきたかも重要なポイントです。これらの実績や経験により、経営者の能力が測られることになりますので、適切にアピールする必要があります。

経営者の略歴欄は、事業を遂行していく能力を見極めるための重要な項目です。アルバイトであっても、そこで得た経験やスキルを具体的に書き、自身の能力をアピールすることが求められます。これにより、融資通過の確率を高めることができるでしょう。

経営者の略歴に必要な7つの内容

経営者の略歴の具体的な内容は、経営者自身の特長や強みを適切にアピールするために重要です。具体的な職歴や経験を明確に記載し、経営者の実績や能力を客観的に評価できるようにすることが求められます。略歴の中身には、経営者の信頼性や専門性、リーダーシップや組織運営能力を示す要素を盛りこむことが重要です。

①略歴

経営者の略歴は、その方の職歴や経歴を簡潔にまとめたものです。略歴には、学歴や資格、職務経験、業界経験などが含まれます。具体的には、大学や専門学校の学歴、取得した資格や免許、これまでの職務経験や業界での経験などが記載されます。

略歴は、経営者の信頼性や専門性を評価するうえで重要な要素です。過去の経験やスキルは、経営者がどれだけの実績を持ち、どのような経営能力を持っているかを示すものです。略歴として、過去の成功事例や実績、リーダーシップ経験などを記載すると、高い説得力が生まれます。

②管理職経験の有無

経営者の略歴の具体的な内容として、管理職経験の有無は重要なポイントです。管理職経験がある場合、その経験を具体的に記載することで、経営者のリーダーシップや組織運営能力をアピールできます。

管理職経験がない場合でも、自分が持つほかのスキルや経験をアピールすることが重要です。たとえば、起業経験や事業の成功例、特定の業界での専門知識やネットワークなど、経営者が持つ独自の強みを示すことが求められます。

③実務実績や経験

経営者の実務実績や経験については、過去にどのような業務を行い、どのような成果を出してきたのかを具体的に示すことが求められます。たとえば、過去に経営者として成功した企業の立ち上げや成長に関与した経験などが挙げられます。また、経営者としてのリーダーシップや組織マネジメントの経験も重要なポイントです。これらの実績や経験は、新規分野の創業においても、経営者としての能力や信頼性を示すものとなります。

④身につけてきた知識やスキル

経営者として必要な知識やスキルは多岐にわたりますが、とくに重要なのは経営戦略やマネジメント能力です。経営者はビジネスの方向性を見極め、戦略を立てることが求められます。また、組織を適切に統率し、人材を育成する能力も重要です。具体的なスキルとしては、リーダーシップ、コミュニケーション能力、問題解決力、交渉力などが挙げられます。これらのスキルを習得し、実践してきた経験を具体的に示すことが重要です。

これら以外にも、開業する業界で役立つ知識やスキルはすべて記載しましょう。

⑤前職の年収や退職金

経営者の略歴には、前職での給与や退職金の情報が記載されることがあります。これは、経営者が過去にどのような経済的な成果を上げてきたのかを示す重要な要素です。またこれまでの収入の中から、創業を目指して自己資金を蓄積した経緯を示すことも有効です。

⑥資格取得

経営者の略歴には、取得した資格や免許の情報が含まれることがあります。資格や免許は、経営者が専門知識やスキルを持っていることを示す重要な要素です。たとえば、経営者が経済学の修士号を持っていれば、経済的な視点から事業を展開する能力があることが示されます。資格や免許の取得は、経営者の専門性や信頼性を高めるために重要な要素となります。

飲食業であれば調理師、美容業であれば美容師に加えてネイルの資格など、関連する資格を保有することを示すことで信頼性の向上につながります。

⑦知的財産権など

特許や商標などの知的財産権を取得している方の場合は、積極的に示しましょう。これは、経営者が創造的なアイデアや独自の技術を持っていることを示す重要な要素です。知的財産権は、事業の競争力や独自性を担保するために重要な役割を果たします。経営者が持つ知的財産権の情報は、その事業の価値を高める要素となります。

創業計画書「略歴」の書き方のポイント

創業計画書における「略歴」の書き方には、いくつかのポイントがあります。まずは、説得力のある略歴を記載することが重要です。具体的な経歴や実績を示し、自身の能力や専門知識を証明できるようにしましょう。過去の事業経験や取得した資格、知的財産などを明確に記載することで、自身がどのような人物であるかを伝えることができます。

また、略歴が今後の事業にどのように結びつき役立つかをイメージできるようにすることも重要です。過去の経験やスキルが、将来の事業にどのように活かされるのかを具体的に説明しましょう。同業や類似事業でどのような実績を残してきたか、サラリーマン時代に起業の準備となる経験をどのように積んできたかなど、具体的な事例やエピソードを交えて説明することが大切です。

略歴の記載によって、起業予定の事業における経営者の能力が測られます。そのため、自身の実績や経験を適切にアピールすることが必要です。公庫の審査においては、業界経験や習得したスキル、マネジメントやリーダー経験などが重視されます。起業を予定しているビジネスに関連する知識や、経験がどれだけあるかを示すことが重要です。

略歴の書き方のポイントは、説得力のある略歴を記載し、具体的な経歴や実績を示すことで、略歴が今後の事業にどのように結びつき役立つかを具体的に説明することです。自身の能力や経験が、将来の事業において、どのように貢献するのかをアピールすることが求められます。適切な略歴の記載によって、事業計画書の説得力を高め、融資の通過確率を上げることができるでしょう。

書き方の具体例

「経営者の略歴等」は事実をそのまま記載します。しかし、経歴を記載する際には、ただ何をしたかを書くだけでなく、その経験を通じて将来の事業にどのように活かせるのかを含めて記述することが必要です。

具体例)

〇年〇月~〇年〇月
日本料理〇〇にて日本料理部門の調理を担当。この経験を通じて、食材の目利きや魚のさばき方、煮物、焼き物といった日本料理に欠かせないひととおりの知識を習得するとともに、複数の仕入先との関係をつくることができました。

「経営者の略歴等」記入例【飲食店】

経営者の略歴は、事業計画書において非常に重要な項目です。とくに飲食店の場合、過去の勤務先や担当業務、役職、実績などの詳細な記載が求められます。これによって、新しい事業にどのように活かせるかが明確になります。

1)年月と内容

経営者の略歴には、年月ごとの経歴を詳細に記載します。これには、学歴や職歴、役職、業務内容などが含まれます。たとえば、大学卒業後は飲食業界に携わり、数年間経営企画業務を担当し、その後は料理人として腕を磨いてきたことなどが挙げられるでしょう。具体的な年月や業務内容を明記することで、経営者の経験とスキルが分かりやすくなります。

年月 内容
平成◯年◯月 (株)〇〇入社 居酒屋チェーンでホール担当として3年間勤務
平成◯年◯月 〇〇(株)入社 洋風居酒屋チェーンで主任としてホールを担当(3年)
平成〇年〇月から副店長として採用・人材教育・仕入れを担当(3年)
平成〇年〇月から店長として店舗経営全般を担当(3年6ヶ月)
令和◯年◯月 退職予定(退職金150万円)

2)過去の勤務経験

経営者の過去の勤務経験は、起業の成功に大きく関わる要素です。飲食業界においては、同業や類似事業での経験が重視されます。たとえば、過去に同じジャンルのレストランで店長やマネージャーを務めて、売上や顧客満足度を向上させるなどの実績がある場合は、それを具体的に記載することが重要です。また、店長等ではなくても、飲食業界での勤務経験が起業における準備になった、としてアピールすることが必要です。

3)取得資格と知的財産権など

経営者の取得資格や知的財産権は、その方の専門知識や競争力を示す重要な要素です。飲食業界では、調理に関する資格が重視されます。たとえば、調理師やソムリエなどの資格を取得している場合は、そのことを明記しましょう。また、独自のレシピやブランドロゴなどの知的財産権がある場合も、それをアピールすることで競争優位性を示すことができます。

店舗運営に関係する資格は忘れずに書きましょう。創業を目指して資格や許認可を取得して、準備をすすめていることは評価されます。簿記のように経営に関係する資格なども、すべて書いておきましょう。

例)

●調理師
●ソムリエ
●ビアアドバイザー
●食品衛生責任者
●防火管理者
●簿記など

記入例【他業種】

日本政策金融公庫の公式ホームページでは、創業計画書の記入例が公開されています。下記に業界ごとの「経営者の略歴等」記入例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

参考:日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(国民生活事業)」

1)美容業

美容業界での経験や専門知識をアピールすることが重要です。美容学校での学びや美容師としての実務経験を具体的に書くことで、自身のスキルやノウハウを示すことができます。美容業界での実績や資格取得なども記載することで、信頼性を高めることができます。

2)介護サービス

介護施設での勤務経験や介護福祉士の資格を持っていることを具体的に書くことで、自身の専門性をアピールできます。また、介護サービスの提供実績や利用者の満足度なども記載することで、信頼性や実績を示すことができます。

3)ソフトウェア開発業

IT業界での経験や技術力をアピールすることが重要です。たとえば、大学における情報科学の学びやソフトウェア開発の実務経験を具体的に書くことで、自身のスキルや知識を示すことができます。また、過去のプロジェクトの成功事例や開発したソフトウェアの特徴なども記載することで、信頼性や実績をアピールできます。

創業計画書の作成はツール活用で

創業計画書の作成はツール活用が便利です。ツールのなかでもとくに、ドリームゲートの事業計画書作成ツールがおすすめとなります。

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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