事業計画書作成のポイントと無料作成ツールの紹介

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2023/07/04  最終更新日: 2024/08/06

事業計画書の作成は、自社の事業戦略を具現化するうえで非常に重要な要素のひとつです。
しかし、事業を開始したばかりの企業や個人事業主にとっては、どのように作成すればよいのかわからない、という方が大半ではないでしょうか。

そこで本記事では、事業計画書の作成において注意すべきポイントや、作成ツールの効果的な使い方について紹介します。
また、記入例を交えながら、実際にどのような形式で作成すればよいのかをわかりやすく説明します。

これから事業計画書を作成する方はもちろん、今後作成する可能性のある方もぜひ参考にしてください。

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ブラウザ上の操作で事業計画を作成、創業計画書もエクセルでダウンロード可能

この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
プロフィールを見る>>

事業計画書とは

事業計画書とは、事業アイデアやイメージなどを詳細に記述した計画書です。事業計画書の作成においては、ビジネスのビジョン、目的、実現可能性、最適化のための戦略を視覚化することが求められます。

事業計画には決めなければならない多くの要素があります。しかし、要素を単に考えるだけでは混乱する可能性があり、ほかの人に説明することもできません。事業計画書は、そうした問題を解決するためのツールであり、作成者にとって、見落としや修正が必要な箇所を発見する切っ掛けにもつながります。

事業計画書作成ツールの紹介

事業計画書は、多岐にわたる記載事項があり、必要な情報の収集なども必要なため、完成までには非常に時間がかかります。同時に、開業資金や運転資金、売上やランニングコストの見積もりといった、根拠のある数値を提示することも必要です。そのため、正確な作成に不安を抱かれる方もいるかもしれません。

そんな方にはドリームゲートが提供する「事業計画書作成ツール」がおすすめです。事業計画書作成ツールでは、かんたんな質問に答えるだけで、日本政策金融公庫の創業計画書(事業計画書)が作成可能です。さらに、健全経営をおこなっている先輩経営者を独自調査した結果と、利用者が作成した事業計画を比較して、数値の適切さを判定できます。

また、12業種について、ブラウザ上でかんたんに事業計画書を作成できます。作成された計画書は途中での保存も可能であり、作成後は、CSV形式、Excel形式、PDF形式でデータをダウンロード可能です。事業計画書の作成にお悩みの方は、ぜひ試してみてください。


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事業計画書作成の理由

事業計画書を作成する理由は、主に次の3つに分類されます。

  • 自分のイメージを把握するため
  • 銀行や投資家などのステークホルダーに事業内容を明確に伝えるため
  • 他者に見せてビジョンを共有するため

説得力のある事業計画書を作成するためには、上記の観点から考えることが不可欠です。

1)イメージの明確化と可視化

自分の思考やイメージを明確にしなければ、他者に伝えることは困難です。しかし、事業計画書として形にすることで、関係者に対して適切な説明が可能となり、理解を深めることにもつながります。また、自己の思考が不透明な場合は、事業計画書作成を通して欠如している部分を特定し、明確にすることもできます。

2)資金調達

事業計画書は、補助金や融資など資金調達の際に提出する重要な役割があります。融資などの申請時には、事業計画書の作成が求められることも多く、その内容により融資の可否や調達可能な資金額が決まります。したがって、事業計画書の質は、資金調達に重大な影響を与える要素といえるでしょう。

3)事業ビジョンの共有

事業計画書は、ビジネスを進めるうえで必須の書類といえます。資金調達に限らず、ビジネスパートナーや優秀な人材を獲得するためにも、事業計画書で事業の概要や魅力を的確に伝えることが不可欠です。事業計画書を作成しなければ、相手に事業の魅力を十分に伝えることは難しく、ビジネスを成功に導くことも困難になってしまいます。

事業計画書をつくる目的については、上野氏の下記YouTubeもご参照ください。

事業計画書に必要な10の項目

本項では、事業計画書作成に必要な10の項目について説明します。事業計画書の作成に決まったフォーマットはありません。しかし、ポイントを押さえて作成することで、わかりやすく説得力のある事業計画書となります。

①代表者のプロフィール

通常、創業者および創業チームの資格や経歴を記載することが一般的です。これまでの経歴や実績などを明確に記載することで、事業を立ち上げるうえでの根拠を伝え、それを基にした事業の成功可能性を示すことができます。

②事業ビジョン・目的・背景

事業計画書には、会社の理念やビジネス目標、ビジョンを明確に示すことが不可欠です。この項目では、事業における経験が浅くても、ビジネスに対する「熱意」を表現できます。

理念や目的、ビジョンは、読み手の感情を揺さぶることができ、ビジネスに対する情熱を伝えるための重要な手段となります。事業計画書でビジネスに対する情熱を表現することで、資金調達などの目的の達成にもつながります。

③事業内容

事業内容に関する項目では、具体的にどのような商品やサービスを提供するのかを説明します。また、どのような顧客に向けて販売するのか、どのような販売方法で提供するのかといった事項も明確に記載することが望まれます。

たとえば、提供する商品の数やサービスの種類、店舗内装のレイアウト、提供するメニューなどを含めて、資料として提出することで、事業内容をより具体的に説明することが可能となります。

④市場環境

市場環境については、公的なデータの利用による検討を最優先としてください。しかし、必要な公的データが入手できない場合には、自己収集したデータによる検討をおこなう必要があります。

たとえば、自ら競合店を調査し、製品を購入することで、深い部分での比較や自社との相違点の発見につながるでしょう。このようなアプローチは、審査において高い評価を受けるだけでなく、市場分析においても有用であると考えられます。

⑤自社の強みや特徴(競合優位性)

自社の強みや弱みを他社と比較し、できるだけ客観的に分析することが重要です。とくに自社ならではの強みを見つけ出すことが必要となります。また、飲食業のように立地によって集客が大きく左右される業種であれば、なぜその立地を選んだかについての説明も必要です。

⑥マーケティング戦略

集客を具体的に実行する方法や手順、期待できる効果をくわしく説明します。売上数字のみを記載した集客計画は信頼性がないとされ、低い評価を受けることがあります。そのため、計画の根拠についても必ず明記しましょう。前述のとおり、目標額や内訳、それを達成するための手段を細かく分解し、説得力のある内容とすることが重要です。

⑦事業計画(生産方法や仕入れなど)

この項目では、売上や従業員数などの事業規模に関する目標だけでなく、生産方法や仕入れなど事業内容に関する計画についても明確に提示することが必要です。また、それらの具体的な根拠についても伝える必要があります。

⑧収支計画(売上や利益)

収支計画は、長期的な見通しを立てる場合でも、各月の様子を可能な限り記載する必要があります。計画表では、売上をはじめとする数値データや見込まれる顧客数、平均単価、月間売上、必要経費、税金などを計算し記載します。計算方法は、具体的な根拠を明示し、わかりやすく記載しましょう。

収支計画の策定により、月ごとの数字の変動や、売上や利益の推移など、経営戦略における重要な数字の動向を明確に把握できます。

⑨資金計画(資金調達方法や内訳、返済能力)

作成した収支計画をもとに、適切なキャッシュフロー管理をするための資金計画を策定します。事業における収支だけでなく、自己資金や借入れによる調達、返済による減少なども考慮した資金計画を立てましょう。

⑩今後のスケジュール(リスク対策も加味)

事業を開始するにあたり、事前にスケジュールを立てることが重要です。このスケジュールでは、必要となる設備の調達や準備、人員計画、さらにはマーケティング計画までもタイムラインに載せ、明確化します。

また、事業にはリスクがつきものであり、想定外の事態に直面することがあるかもしれません。したがって、リスクを事前に想定した具体的な対策の立案も事業計画の重要な役割のひとつです。

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事業計画書作成のポイント

事業計画書作成のポイントは、「6W2Hなどのフレームワークを活用した具体的な内容」および「現実的かつ根拠のある数値」の記載となります。

1)6W2Hの活用で具体的な内容に

頭の中の計画を整理する際、フレームワークを使うと相手に伝わりやすく見える化できます。

事業計画書を策定する際には、まず事業に関連する「6W2H」などを先に検討することが望ましいでしょう。フレームワークの活用により、一貫性のある整合性のとれた事業計画書を作成できます。

2)現実的かつ根拠のある数値に

事業計画書において、売上計画などをわかりやすく伝えるには、具体的な数値を用いた説明が欠かせません。参考として売上目標(販売計画)と数値計画の立て方についての具体例を紹介します。具体的な計画は明確なイメージにつながり、行動計画も立てやすくなります。


資料:J-Net21「事業計画書の作成例(ベビー服小売業)」

事業計画書作成の注意点

本項では、事業計画書を作成する場合に注意すべき3つのポイントを紹介します。

事業計画書を最初から完璧に仕上げることは至難の業です。しかし、以下の注意点に留意し、進めることで高品質な計画書を作成できるでしょう。ぜひ、以下のポイントをクリアした事業計画書作成を目指してください。

1)根拠のある数値と整合性のある内容に

データを引用する際には、公的機関や信頼性の高い調査機関の情報を根拠にし、出典を明示し記載することが求められます。さらに、ビジネス計画を策定する際には、「おおよそこの程度の売り上げが見込めるだろう」という曖昧な表現ではなく、計算式を用いて根拠を明確にする手順が推奨されます。

事業計画書には多数の数値が含まれますが、すべてについて整合性を持つことが必須です。もし数字に矛盾が存在する場合、その事業計画書は信用できないと判断される可能性があるため、細心の注意が必要です。

2)できるだけ具体的に

事業計画書は、重要なビジネス文書です。しかし、大まかな説明では、読み手に明確なイメージが伝わらず、十分な説得力を持たせられません。具体的かつ詳細に記載することで、読み手にも明確なイメージが伝わり、読後の納得感につながります。

たとえば、パッケージの写真や、料理の完成イメージを添えることで、具体的に想像できる場合があります。また、開業予定地が「駅前」というだけでなく、「商店街沿いのビル2階で、駅から徒歩5分の場所に位置している」といった具体的な場所を明記することも重要です。

3)わかりやすい表現で

事業計画書では、できるだけわかりやすく記述することが望まれます。はじめて計画書を見る人でも内容を理解できるよう、専門用語や難解な内容にすることは控えましょう。もし、専門用語などを使う場合には、かんたんな説明を添えたり、図表を利用したり、などの配慮が必要です。

また、重要なポイントが明確に伝わるよう、結論から先に記述することが推奨されます。この際、PREP法(結論-理由-事例-再結論)を用いることで、計画書の読みやすさを向上させることが可能です。

事業計画書作成例

1人ひとりのビジネスが異なるため、他人の計画書をそのまま模倣した事業計画書では意味を成しません。しかし、はじめて計画書を作成する場合には、参考にできる点も数多く存在しています。

たとえば、計画書全体を通じた一貫性や整合性を維持することや、具体的かつ明確に記述する方法を学べます。さらに、数値計画では、販売計画の算出方法などを参照することで、有益なヒントを得られます。自分が構想する業種に近い計画書を選んで、確認してみるとよいでしょう。

資料:J-Net21「事業計画書の作成例(カフェ事業)」

作成ツール活用でイメージを明確化しよう

事業計画作成は、企業が成功するために不可欠な重要なステップです。しかし、何からはじめたらよいのか、どのように具体化していくのかに迷ってしまうこともあるでしょう。こうした問題を解決するために、専門家のアドバイスや作成支援ツールの活用を検討してみましょう。

たとえば、ドリームゲートは、無料で使える「事業計画書作成ツール」を提供しています。このツールは、かんたんに使えるだけでなく、手順に沿って質問に答えるだけで事業計画を作成できるため、はじめての人でも安心して利用できます。

「事業計画書作成ツール」を利用すれば、かんたんな事業計画書はすぐに作れます。かんたんなものを何度も作成するうちに、事業のイメージがだんだん明確化され、ビジネスプランがブラッシュアップされます。ぜひ、事業計画書作成ツールを活用して、ビジネス成功への第一歩としてください。

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