製造装置開発に伴う新規機械導入と補助金の活用方法を教えてください

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2026/01/15 

QUESTION:製造装置開発に伴う新規機械導入と補助金の活用方法を教えてください

当社は、製造装置を開発・提供しているスタートアップです。

現在、製品開発および量産・実証フェーズに向けて、
新たな製造機械・設備の導入を検討しております。

この設備投資にあたり、補助金の活用を検討しており、
補助額としては 600万円以上 を目標としています。

事業内容や投資内容を踏まえた上で、

・当社のケースでは、どの補助金(例:ものづくり補助金、事業再構築補助金 等)が適しているか

・スタートアップ/製造業ならではの審査上の注意点

・採択されやすい事業計画の考え方や整理のポイント

といった点について、専門的な観点からアドバイスをいただきたいと考えております。

現時点では、機械装置の導入目的や活用イメージはあるものの、
補助金申請を前提とした計画整理についてはこれから詰めていく段階です。

初期検討の段階からご相談できれば大変ありがたいです。

何卒よろしくお願いいたします。

ANSWER:設備投資に関する補助金の種類と注意点について解説します

この質問に回答した専門家
遠山 純夫(とおやま すみお)
遠山コンサルオフィス代表/ 中小企業診断士
モノづくりと品質のベテランが国内外生産委託と原価低減・事業化・海外進出を支援します。
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設備投資に関する補助金としましては、主な原資元(スポンサー)として3つ:中小企業庁(経産省)/環境省/自治体(都道府県・市区町村)があります。投資額、従業員規模、事業内容、収益性等によって適する補助金が変わってきますので、ここでは代表例のみ表示します。

・スポンサー、補助金名、概要、補助率/補助上限額、募集時期、特記事項。 の順に表記:

1.経産省、ものづくり補助金、生産性向上や新製品・サービス開発に必要な設備、1/2(小規模2/3)・従業員数により750~2,500万円、ほぼ3ヵ月ごと、自社にとっての新製品であればよい。

2.経産省、新事業進出補助金、新事業・高付加価値事業進出にかかる設備投資、1/2・従業員数により2,500~7,000万円、ほぼ4カ月ごと、新市場・高付加価値事業への進出を後押し。

3.環境省(廃棄物3R財団)、脱炭素化高度化設備導入促進、プラスチック資源循環促進&再エネ・金属資源リサイクル高度化設備、1/2・上限なし、毎年4月・7月、プラスチックや金属・LiBリサイクル用特定設備に限定。

4.東京都※、新製品・新技術開発助成、新製品・新技術の研究開発経費助成、1/2・賃上げ時3/4、毎年5月、機械以外に、試作原材料費、外注費、知財費、人件費も対象。

5.東京都、明日にチャレンジ、技術・サービスの高度化・高付加価値化への技術開発、2/3・2,000万円、毎年3月・7月、下請けが対象・自社製品/サービス用はダメ。

※自治体の補助金は、自治体ごとに異なりますので、個別の調査が必要です。

補助金を投資資金調達の一つと捉えて、自社の新規事業計画を明確にして、融資申込と同時に補助金の選定と申請準備をすることが大切です。補助金制度はこの十数年の運用で拡張と同時に、審査の仕組みも複雑化形式化してきました。昔は企業の方が自社で申請書作成して採択される場合もありましたが、近年は補助金支援専門家による代理競争の様相を呈していますので、補助金支援専門家に適する補助金の選定からご相談されることをお勧めします。但し時々高率の成功報酬をとる専門家もいますので注意しましょう。

スタートアップ・製造業ならではの補助金注意点

さて、スタートアップ・製造業ならではの補助金注意点は、以下のようなことが考えられます。

・研究開発要素が高いのであれば、東京都の「新製品・新技術開発助成」のような、試作材料費や人件費も補助対象経費となる補助金が最適です。もっと基礎研究に近い場合は「NEDO」の補助金があります。

・研究開発を完了しており、量産化・事業化・収益化に向けた投資である場合は、事業収益計画によって、実現性の蓋然性と投資回収年数が3~5年に入ることの説明が重要です。

・近年は補助金評価での「賃上げ」重要性が高まり、過去5年の都道府県の平均賃上げ率を上回る計画を示さないと、その時点で落選というケースが増えています。

・スタートアップは特に、事業アイデアや技術的には面白いが果たして成長事業として成功するか?という「実現性」がシビアに評価されます。審査員を納得させる、個別顧客のニーズや反応・受注予約等の見込みが重要です。

また補助金の一般的な注意事項として、

・必ずしも採択される訳ではないこと。補助金によって採択率は、15%~60%まで難易度が様々です。私は採択率70~80%ですが、平均的な支援専門家は30~40%です。

・補助金が採択されても、まず設備代金の支払いを完了しないと補助金請求できないこと。つまり資金繰りはまず補助金なしで成り立つ計画を立てること。但し補助金採択により、がぜん融資成功率は上がります。

・以上より、事業計画から始まって、補助金申請前の準備と計画が大切です。新規事業の内容と投資機械の見積もりが揃ったら、早めの専門家への相談をお勧めします。

無料オンライン(1回)も可能ですので、ご興味があれば申込下さい。