創業融資を成功させる、創業計画書ー経営者の略歴等の書き方

執筆者:ドリームゲート事務局
公開日: 2026/01/04 

創業融資、とくに日本政策金融公庫の審査において「創業計画書」は合否を左右する最重要書類です。そのなかでも「経営者の略歴等」は、事業の成功確率を測る客観的な指標として重要な項目となります。単なる職歴の羅列ではなく、いかに「この経営者なら成功する」と担当者に確信させるかが、融資の成功を左右します。

そこで本記事では、融資獲得率を飛躍的に高める略歴の書き方と、審査官が評価するポイントを専門的な視点からくわしく解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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1.経営者の略歴が重要視される本当の理由

創業融資の審査において、金融機関がもっとも恐れるのは「貸し倒れ」です。実績のない新設法人や個人事業主に対し、何を根拠に融資を決定するのか、その最大の拠り所となるのが経営者本人の「過去の経験」にほかなりません。

1)日本公庫の担当者はここを見る! 経験年数と役職の評価基準

日本政策金融公庫の創業融資制度では、一般的に「同業種での経験」があるかどうかが、審査の大きな目安となります。数年から10年ほどの期間があれば、業界の商習慣や顧客ニーズ、リスク管理を十分に把握していると見なされるからです。

また、勤務時代の「役職」も重要な評価対象です。店長や部長といったポストを経験している事実は、単に実務ができるだけでなく、数値管理や人材育成、組織運営といった「経営にかかわるスキル」をすでに備えている証左として、高い信頼をえるポイントとなります。

2)略歴は過去の記録ではなく「未来の成功根拠」である

多くの申請者が陥る罠が、略歴を履歴書のように単なる「過去の事実」として記述してしまうことです。融資担当者が知りたいのは「過去に何をしていたか」以上に、「その経験が新事業の成功にどう直結するか」という再現性です。

たとえば、飲食店を開業する場合、調理経験だけでなく「メニュー開発で原価率を〇%改善した」というエピソードを盛り込めば、それが新事業の利益確保の根拠になります。略歴の各項目を、事業の成功を裏付ける「エビデンス(根拠)」として構成することが肝要です。

2.【記入例あり】審査に強い略歴の書き方

略歴欄は、経営者の「几帳面さ」や「ビジネスリテラシー」を測る最初の試験でもあります。まずは、信頼を損なわないための基本的な作法をマスターしましょう。

1) 見落としがちな基礎フォーマット

創業計画書における年号は、原則として「昭和・平成・令和」の和暦で統一するのが一般的です。日本公庫の書式じたいが和暦ベースで作られていることも多いため、和暦で記載する方が担当者にとって読みやすくなります。

また、職歴に数ヶ月の空欄(ブランク)を作らないことや、社名を「(株)」と略さず「株式会社」と正式名称で記載することも不可欠です。こうした細部へのこだわりが、借入金を最後まで完済するという「誠実な経営姿勢」として評価されます。

2)【よい例・悪い例】入社・退社の書き方

事実のみを記した文章では、あなたの強みは伝わりません。具体的な実績を付記することで、文章に説得力を持たせましょう。

NG例: 平成25年4月 〇〇株式会社 入社 令和3年3月  〇〇株式会社 退社

OK例: 平成25年4月 〇〇株式会社 入社。
店長として店舗運営全般を統括し、月商1,000万円(前年比110%)を達成。スタッフ20名の採用・教育に従事し、離職率の大幅な低下に貢献。

このように、数字や具体的な役割を添えることで、担当者の頭のなかに「活躍する経営者像」が具体的に浮かび上がります。

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3.アピールポイントの盛り込み方

基本事項を押さえたら、次は融資額の積み増しを狙うためのポジティブな情報を戦略的に配置していきます。

1)数字と実績で語る(売上・利益・管理人数)

金融機関がもっとも信頼を寄せるのは、客観的な「数字」です。経営者としての計数感覚をアピールするために、勤務時代の成果を可能な限り定量化してください。

「昨対比売上120%達成」「オペレーション改善によりコストを10%削減」といった数値は、あなたが経営を感覚ではなくロジックで捉えている証明となります。また、マネジメントしていた人数を記載することで、組織規模に応じた統率力があることをアピールできます。

2)受賞歴や資格は客観的なスキルの証明

社内の月間MVPや、業界コンテストでの入賞歴、あるいは業務に直結する公的資格などは、あなたの市場価値を第三者が証明している有力な武器です。

宅地建物取引士や調理師といった免許はもちろん、一見関係なさそうな資格でも「目標を立てて努力し、形にする能力がある」と評価されることがあります。事業に関連するものは漏れなく記載し、専門性の高さを強調しましょう。

3)管理職経験がない場合のプロジェクトリーダー経験の書き方

「肩書きがないからアピールできない」と諦める必要はありません。役職名がなくても、「新人教育担当」や「新店舗立ち上げプロジェクトリーダー」といった、周囲を巻き込んで動かした経験は十分に評価されます。

「社内業務効率化プロジェクトのリーダーを務め、作業時間を月30時間短縮した」といった具体例を記載すれば、マネジメント能力の代わりとして十分機能します。

4.未経験・異業種からの起業でも評価される書き方

経験不足は融資における大きなハードルですが、書き方の工夫しだいで十分にカバー可能です。

1)異業種の経験を汎用スキルに変換して伝える

まったく異なる業種への挑戦であっても、ビジネスの根幹にあるスキルは共通しています。たとえば、IT営業からカフェを開業する場合、単に「営業をしていた」と書くのでは不十分です。営業経験をスキルに変換し、「顧客の潜在ニーズをくみ取るヒアリング力」や「徹底したKPI管理による数値目標の達成能力」を強調しましょう。

これらは「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」と呼ばれ、新業種でも確実に活かせる武器として評価の対象になります。

2)不足している経験をどう補うか(パートナー・勉強量)

実務経験の不足は、体制や学習意欲で補完する姿勢を見せることが大切です。「フランチャイズの研修を3ヶ月受講し、運営ノウハウを習得済みである」「当該業界で10年の経験を持つベテランを店長として雇用する」といった具体的な対策を明記してください。

不足を隠すのではなく、それをどうリカバリーしてリスクを低減させているかを示すことが、審査官に安心感を与えます。

5.よくある質問

略歴作成時に多くの経営者が悩むポイントについて、審査への影響を考慮した回答をまとめました。

1)転職回数が多い・ジョブホッピングはマイナスになる?

一概にマイナスとはいえませんが、記載には十分に注意が必要です。短期間での転職が繰り返されている場合、忍耐力や継続性に疑問を持たれる可能性があるからです。

しかし、それぞれの転職に「キャリアアップのため」「独立に必要なスキルを習得するため」といった一貫した軸があれば、むしろ「多角的な視点を持つ経営者」としてプラスに働きます。理由を尋ねられた際に、ポジティブな動機を説明できるよう準備しておきましょう。

2)空白期間(ブランク)や副業期間はどう書くべき?

数ヶ月以上の空白がある場合は、理由を簡潔に添えるのが誠実な対応です。「起業準備のため」「資格取得に専念するため」といった理由は正当なものとして受け入れられます。

一方、介護や育児によるブランクも、現在は事業に専念できる環境が整っていることをあわせて伝えれば問題ありません。不自然な隠し立ては、かえって審査官の不信を招く原因となります。

3)過去の自己破産や法人の倒産経験は正直に書くべき?

これについては、絶対に嘘をついてはいけません。金融機関は指定信用情報機関を通じて個人の信用情報を照会するため、虚偽の申告をすれば即座に審査落ちとなります。

過去に失敗があっても、現在は免責から一定期間が経過している、あるいは再挑戦支援制度を活用するといった道は残されています。失敗からの反省と、今回の事業での改善策を真摯に伝える姿勢が、再起の可能性を拓きます。

4)職務経歴書でタブーとされる内容は?

自慢話に終始することや、前職の不満・批判を記載することは厳禁です。また、あまりに専門用語を多用しすぎると、業界外の担当者に強みが伝わりません。中学生が読んでも理解できる程度の平易な言葉を使いつつ、プロフェッショナルとしての実績を伝えるバランスを意識してください。

6.仕上げにチェックする、略歴と創業の動機の整合性

最後に、計画書全体を見渡して、ストーリーに矛盾がないかを確認します。整合性がとれていない事業計画書は、信用を失う原因となることがありますので、入念に確認しましょう。

ストーリーの一貫性を確認する

審査官は、あなたの人生の「一貫性」を見ています。「なぜこの事業なのか?」という動機に対し、略歴がその「準備期間」として、機能しているかを確認してください。

「過去(略歴)」で培ったスキルを活かし、「現在(動機)」ある社会の課題を解決し、「未来(事業内容)」で利益を上げる。この3点が一本の線で繋がっているとき、創業計画書は極めて強力な説得力を持ちます。書き終えた後に、第三者の視点で読み返してみることが成功への近道です。

7.創業計画書なら事業計画書作成ツールがおすすめ

創業計画書の作成は、融資成功の鍵ですが、専門的な知識と時間が必要です。そこで役立つのが、ドリームゲートなどの事業計画書作成ツールです。

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作成後は、CSV、Excel、PDF形式でデータ出力が可能なので、金融機関への提出もスムーズです。略歴から財務計画まで、一貫性と説得力のある計画書を効率的に仕上げたい経営者に最適のツールといえます。無料で使えますので、まずは試してみましょう。

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
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