自己破産をしていても起業時に創業融資を受け取ることはできますか?
QUESTION
IT分野での起業を考えています。
ただ起業の前に懸念点がいくつかあり、その点に関してアドバイスをいただきたいです。10年前に会社を設立したのですが、うまくいかず自己破産を選択しました。
自己破産していても創業融資等を受け取ることはできるのでしょうか?
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ANSWER ハードルは高いですが、融資を受けられる可能性はあります。
結論から申しますと、ハードルは高いですが、受けられる可能性はあります。自己破産していた人が、創業融資を受けることができた事例があります。
日本政策金融公庫には「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」という融資制度があります。(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/05_rechallenge_m.html)これは、廃業歴がある人が再度起業する際に使える融資制度です。ただし、この制度の審査は厳しく、パスするのは簡単ではありません。
そこで、いくつかポイントを解説しておきます。
- 自己破産時の借入金がどこにあったか
当時、たとえば日本政策金融公庫に借入が残っていた場合は、日本政策金融公庫へ創業融資を申し込みすれば、記録が残っています。同様に、銀行や信用金庫、あるいは信用保証協会に残っていたら、同様に記録が残されています。
自己破産をされているので、支払い義務はありませんが、それでも記録が残っていれば、審査のときにかなりマイナス評価になります。ですから、日本政策金融公庫か信用保証協会のうち、当時借入がなかったほうへ申し込むほうが、審査にパスする確率が高くなります。
いずれにも借入があった場合は、ハードルは高いですが、今回の計画がうまくいくことをしっかりと説明できるようにする必要があります。また、過去の廃業の経緯、それからどのように再起されたか、がんばった経緯などもしっかりとアピールすることが大切です。
- 資格について
IT関連のビジネスということですが、審査にパスするためには、ご自身がIT関連の資格等、または実績などをお持ちのほうが、有利になります。お持ちでなければ、その分不利になりますので、その点は理解しておいてください。
- 個人信用情報の確認
日本政策金融公庫や信用保証協会は、個人信用情報を確認しますので、事前にご自分の情報を取得して内容を把握しておくほうがいいです。
以下の三つがありますので、できるだけ全部確認することをお勧めします。
- 全国銀行個人信用情報センター:https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
また、創業融資の審査をパスするためのポイントについて、ご説明します。
知っていただきたいこととして、融資担当者が審査するときのチェックポイントがあります。
融資について、融資担当者がチェックするポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。
- 財政状態
本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。当然、預金などの財産は多いほうが、負債は少ないほうがいいということになります。とくに財産については、同居家族名義も含めて積極的に情報開示することが、高評価につながります。
- 経営者としての資質
これは、「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、「経歴書」に、「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ということが明確に分かるように記載することです。IT分野での事業のご経験がなければ、その他のご経験の中で、IT分野での事業に役立つスキルを習得したことを示す必要があります。
- 事業の見通し
これは、「創業計画書」で示すべきポイントです。予定しているビジネスの内容については、相手が中学生でも理解できるように、分かりやすく記載することがコツです。金融機関の担当者は、金融のプロですがビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどには詳しくないのが普通だからです。また、収支の見通しについては、「絵に描いた餅」と思われないように、できるだけ客観的に見て「なるほど」と納得してもらえる根拠を説明する必要があります。
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。
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