有機野菜を生産。販売戦略についてアドバイスが欲しい

公開日: 2017/03/08  最終更新日: 2020/03/25

QUESTION

有機野菜を生産・販売する会社を昨年立ち上げました。有機肥料で栽培し、農薬も極力使わないこだわりの野菜で品質・味わいには自信があります。
今年は生産量を昨年の10倍に拡大し、販売額も目標3000万円を目指しております。目標達成のために、まず新規取引先の開拓をしたいのですがバイヤーや卸問屋には、どのようにアポを取り、アプローチするべきなのでしょうか?
またトレーサビリティにも取り組みたいのですが、何からはじめるべきか分かりません。
潤沢な資金があるわけではないので、自力で何とかするしか方法がありません。なにかアドバイスをいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

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ANSWER

まず、事業計画を整理しましょう。

(1)目標設定(ゴール)を確認する。
「目標売上(3000万円)=数量×単価×各品目」これにあてはめて、各商品ごとに単価と数量を計算します。

(2)新規取引先の開拓(マーケティング)
最重要課題です。マーケティングで整理すべき点である4Pを設定しましょう。
製品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、流通(Place)からなる頭の文字をとって4Pとしています。

製品(Product)は、こだわり野菜です。

価格(Price)は、まず「このこだわり野菜を買ってくれそうな人」をイメージすることです。
例えば、健康志向の人でしたらトレーサビリティを付加価値として織り込んだ単価設定でも成立します。

プロモーション(Promotion)は、仮に健康志向を好むお客様(最終消費者)を標的とするのであれば、彼らの琴線に触れる訴求が必要です。
インターネットで閲覧できる青果物のトレーサビリティの無料データベースを利用するといった方法もあります。
生産履歴を登録すれば、情報をインターネット上で開示することができます。このURLを2次元バーコードにして、シールやパッケージに印刷すれば、誰でも生産履歴を見ることができますね。

流通(Place)ですが、これまでのことが整理されていれば、おのずと見えてきます。
顧客ターゲットが決まれば、彼らが利用する流通チャネル(店舗)はどんな業態か絞られてくるでしょう。

青果物は不定貫品で、基本的には流通経路はJAや市場に需要をコントロールされています。
また市場法の改正があるため、新規の農業法人は量販店にサンプルを送付するなどして商品売り込みを行います。

しかし量販店の棚には限りがあるので、価格競争に巻き込まれずに息の長い定番商品に育てるのは苦労が多いと思います。
仮に流通経路を店舗とするならば、百貨店など客単価が高くても成立する業態がよいでしょう。

ここで私がお勧めするのは、インターネット販売です。

これなら消費者に直接こだわり生産をメッセージできますし、ネットショッパーは「お取り寄せ」に代表されるように、そもそも「こだわり商品」を探し回っています。
この他にもインターネット販売は急速に拡大して、4兆円規模のマーケットという試算もありますし、一番売れた商品が「生みたて卵」が1位をとったという記録もあります。

いずれにしても、ご自身がどのような顧客をターゲットにするかで、戦術が変わるので、最終顧客を見極めた上で、そのお客様が利用しそうな販売業態の門をたたくことが有効と思います。
事業計画書の整理の仕方で、最終消費者と課題解決の方向が見えてきます。
ヒントは現場にあるので、例えば百貨店でこだわり野菜を手に取るのはどんな人なのか、あるいは他のインターネットショップを覗くことでアイディアが浮かぶと思います。