創業メンバーの株式を安く買い取る方法はありますか?

公開日: 2017/02/17  最終更新日: 2019/11/22

QUESTION

資本金2000万円で会社をはじめて数年経ち、利益もだいぶ出ています。会社の純資産も、総資産-総負債でみると資本金の10倍以上になっています。ここで設立メンバーである一人が辞めることになりました。そこで株式を買い取りたいと思っています。

2,000万の資本金のうち、辞めるメンバーが30%の株を持っているのですが、純資産2億円の30%分という言い分で、6,000万で買い取って欲しいと言われました。何とか、安く買うことはできないのでしょうか?

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ANSWER

株式を売却する場合、その売却する株式はいくらの価値がある物なのか?を算定するために株式の評価をしなければなりません。その売却する価格(譲渡対価)と株式の評価額(時価)との差額に対して「みなし贈与」課税がかかる場合があります。株式の評価が何倍にもなるのは、基本的に資本の部(資産マイナス負債イコール純資産)が何倍になったかで決まりますので、その点は注意です。

取引相場のない(上場等していない)株式の場合には、その評価方式にいくつか種類があります。

1.原則的評価方式

株式を取得した方が同族株主等の場合に使われます。

この評価方式は会社の規模により評価の方法が決められています。小会社の場合は、純資産価額方式です。純資産価額を発行済株式数で割り評価します。

2.特例的な評価方式

株式を取得した方が同族株主等以外の場合に使われます。

この評価方式は、会社の規模にかかわらず配当還元方式となります。この方式は、株式を所有することにより受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(1割)で還元して元本である株式を評価する方法です。

3.特定の評価会社の株式の評価

特定の要件にあてはまる会社の株式を取得する場合に使われます。

原則として、純資産価額方式(清算中の会社は清算分配見込額による評価)により評価します。

取引相場のない株式の譲渡は、その会社に対する支配力を決める重要な問題である事はもとより、譲渡者・譲受者間の所得税(譲渡所得)、贈与税、はたまた相続税の問題が絡みたいへん複雑です。株式を安く買う(低い評価方式を選択する)為には、さまざまな実情を考慮し評価しなければなりません。(ご自身が買う場合、親類でない方が買う場合等を勘案して。)